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籠釣瓶花街酔醒 かごつるべさとのえいざめ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

籠釣瓶花街酔醒
かごつるべさとのえいざめ

歌舞伎狂言。世話物。8幕。3世河竹新七作。1888年4月東京千歳座初演。享保年間(1716~36)に吉原で起こったいわゆる吉原百人切りの事件を脚色したもので,講談から劇化した作品。野州佐野の絹商人次郎左衛門(1世市川左団次初演)は,瘡毒の妻を殺した父次郎兵衛の因果で痘面(あばたづら)となる。吉原で見そめた花魁(おいらん)八ツ橋に愛想尽かしをされ,都築武助という武士の形見の妖刀籠釣瓶で,八ツ橋はじめ間夫(まぶ)繁山栄之丞らを斬殺する。見そめ,愛想尽かし,殺しが見どころ。通常 5幕目の「吉原仲之町見染の場」から上演される。(→歌舞伎

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デジタル大辞泉の解説

かごつるべさとのえいざめ〔かごつるべさとのゑひざめ〕【籠釣瓶花街酔醒】

歌舞伎狂言世話物。8幕20場。3世河竹新七作。明治21年(1888)東京千歳座初演。吉原百人斬り事件に取材したもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

かごつるべさとのえいざめ【籠釣瓶花街酔醒】

歌舞伎狂言。世話物。8幕。3世河竹新七作。通称《籠釣瓶》。1888年5月東京千歳座初演。配役は佐野次郎左衛門を初世市川左団次,八ッ橋中村福助(のちの5世中村歌右衛門)等。佐野八橋物の一つ。先行作に《青楼詞合鏡(さとことばあわせかがみ)》《杜若艶色紫(かきつばたいろもえどぞめ)》などがあるが,本作は講釈種によった明治期の世話狂言で,いわゆる吉原百人斬をまともに劇化した作品。通行の上演では5幕以降が行われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

籠釣瓶花街酔醒
かごつるべさとのよいざめ

歌舞伎(かぶき)脚本。世話物。8幕。3世河竹新七作。1888年(明治21)5月、東京・千歳座(ちとせざ)で初世市川左団次の次郎左衛門、5世中村歌右衛門(うたえもん)(当時福助)の八ツ橋により初演。享保(きょうほう)(1716~36)の「吉原百人斬(ぎ)り」事件を講談から脚色。題名の「籠釣瓶」は、次郎左衛門が八ツ橋を殺す村正(むらまさ)の刀の名で、水もたまらぬ切れ味の意。現在では、原作の五幕目にあたる「仲の町見染め」、六幕目の「縁切り」、大詰の「殺し」の計3幕が多く上演される。野州佐野の絹商人次郎左衛門は、江戸吉原で道中姿の花魁(おいらん)八ツ橋を見染め、通いつめたあげく身請けしようとするが、八ツ橋は情夫繁山栄之丞(しげやまえいのじょう)に責められ、満座のなかで次郎左衛門に愛想づかしをする。悲憤の次郎左衛門は故郷へ帰り、家伝の村正の刀を携えふたたび吉原へきて、八ツ橋はじめ多くの人を殺傷する。「見染め」の八ツ橋の艶然(えんぜん)たる笑いと、「縁切り」の次郎左衛門の恨みを述べる「花魁、そりゃあんまり袖(そで)なかろうぜ……」以下の長台詞(ながぜりふ)が眼目。次郎左衛門は初世中村吉右衛門の得意芸で、これを8世松本幸四郎(白鸚(はくおう))と17世中村勘三郎が継承、八ツ橋は6世歌右衛門の当り芸であった。[松井俊諭]

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世界大百科事典内の籠釣瓶花街酔醒の言及

【河竹新七】より

…脚色物に機知と趣向の才を生かし,洒脱と速筆でも知られた。代表作に《籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)》(1888年千歳座)はじめ《塩原多助一代記》《怪異談(かいだん)牡丹灯籠》《江戸育御祭佐七》など。【河竹 登志夫】。…

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