組む(読み)クム

デジタル大辞泉 「組む」の意味・読み・例文・類語

く・む【組む】

[動マ五(四)]

㋐がっちりと、互いのからだに取りつき合う。取り組む。「四つに―・む」
㋑同じ目的で何かをするために仲間になる。組になる。「彼と―・んで事業を始める」

㋐ものを互い違いに交差させたりからみ合わせたりする。「腕を―・む」「足を―・む」
材料・部分を順序に従って合わせたり結んだりして、まとまりのある全体を作り上げる。「ひもを―・む」「足場を―・む」
統一あるものにまとめ上げる。組織したり編成したりする。「徒党を―・む」「時間割を―・む」
活字を、指定に従って原稿どおりに並べる。「版を―・む」
[可能]くめる
[下接句]鬼とも組む座を組む手を組む徒党を組むひざを組む四つに組む
[類語]組み立てる組み合わせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「組む」の意味・読み・例文・類語

く・む【組】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 手と手、足と足などをからめる。また、互いに相手を押えつけようとして争う。組打ちをする。とっくみあう。
      1. [初出の実例]「よい敵と目をかけ、鞭、あぶみを合はせて馳せ来たり、押し並べてむずとくむ」(出典:平家物語(13C前)七)
    2. ある目的のために仲間になる。協力する。→与(くみ)する
      1. [初出の実例]「夢の中に真言の主背き去りて、或は与(クミ)語らはずは、更に起首すべしといふことを明す」(出典:蘇悉地羯羅経略疏天暦五年点(951)六)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 糸などの細長いものを交互にからみ合わせる。あざなう。編む。
      1. [初出の実例]「青つづらを大なる籠(こ)にくみて、いかめしきくり・とちを入れて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 交え合わせる。交差させる。
      1. [初出の実例]「外侍には家子郎等肩をならべ、膝を組てなみゐたり」(出典:平家物語(13C前)八)
    3. 組み合わせて作る。作り構える。
      1. [初出の実例]「土居(つちゐ)をくみ、うちおほひを葺きて、継目ごとにかけがねを掛けたり」(出典:方丈記(1212))
    4. 印刷で、原稿に従って活字を並べる。
      1. [初出の実例]「然し、社長、ここ、少くとも百円の手金を打たねば、印刷屋が原稿を組み出さんぢゃないか?」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉八)
    5. 個々のものをまとめて組織を作る。編成する。
      1. [初出の実例]「印度人は〈略〉多数の人民、隊を組み、象馬などを引き連れて、虎狩を為すことあり」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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