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羈縻政策 きびせいさく Ji-mi zheng-ce; Chi-micheng-ts'e

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

羈縻政策
きびせいさく
Ji-mi zheng-ce; Chi-micheng-ts'e

羈は馬のおもがい,縻は牛の鼻綱を意味し,2字でつなぎ止める,牽制するの意味。中国諸王朝が外族内部の行政組織をそのままにして外族を統御する伝統的政策をいう。すでに漢代には外族の首領に対し爵位,恩典を与えて王朝と結びつけようとしており,唐では羈縻州といって外族の部落に州や県をおき,その首領に唐の官名である都督や刺史を与え,都護府がこれを統括した。

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百科事典マイペディアの解説

羈縻政策【きびせいさく】

中国で古くから各王朝が周辺の異民族を統治するためにとった懐柔政策。羈縻とは馬や牛などをつなぎとめておく意。たとえば,唐では広大な辺境地帯を統治するために6都護府をおき,都護(長官)や軍隊は中央から派遣したが,その下の都督・刺州などには異民族の族長を任命して従来の部族制度を維持したまま,彼らを間接的に統治した。

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世界大百科事典 第2版の解説

きびせいさく【羈縻政策】

中国歴代の王朝が周辺民族に対してとった外交政策。羈縻とは,羈(覊)が馬の手綱,縻が牛の鼻綱のことで,そこからつなぎとめる意味に転じた。さらに《史記》の司馬相如伝に漢の武帝の施策にふれ〈皇帝の夷狄(いてき)に対する態度は馬や牛を繫(つな)ぎとめておくように,かかわりを断たない程度にしておくのが筋道である〉とみえるとおり,夷狄を巧みに御していく外交用語となった。要するにあめと鞭を使い分けながら国力の消耗を極力おさえ,ただ中国から離反しないようつかず離れずの関係を維持しながら国家の威信を発揚していく伝統的な対外政策である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

羈縻政策
きびせいさく

中国の伝統的な異民族統治政策。羈は馬の面懸(おもがい)、縻は牛の鼻綱(はなづな)のこと。唐代では内属した諸民族に対し、その領域の大きさに応じて都督府・州・県を置き、首領を都督、刺史などに任命して世襲を許した。これらの州は羈縻州とよばれ、辺境の都督府や都護府の督察を受けるが、戸籍や租税の上納は免除され、民族の慣習に基づいた自治が認められた。中国の通商・交渉圏にある国との関係を羈縻と称する例は漢代からあり、内属した異民族の首領を州刺史に任命する実質的な羈縻州体制は六朝(りくちょう)時代からみられたが、唐代では内地の州が300前後であったのに対し、羈縻府州は総数856に達した。しかし、パミール高原以西などに一時的に置かれたまったく名目的な羈縻州もあり、その実態は各民族と唐との関係に応じて多様であった。またその大半は玄宗朝までに置かれ、以後は少数が西南方面に置かれたにとどまる。宋(そう)・元時代にも広西省、雲南省、貴州省方面に若干の羈縻州が置かれた。明(みん)代ではおおむね同じ方面を中心に羈縻府19、州47、県6が置かれたと思われる。[金子修一]

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世界大百科事典内の羈縻政策の言及

【都護府】より

…中国,代の羈縻(きび)支配(羈縻政策)による属地経略の最高機関。周辺諸民族の討滅や帰順で,唐の支配は,東は朝鮮半島から西は中央アジアに,北はシベリア南辺から南はインドシナ半島におよんだ。…

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