日本大百科全書(ニッポニカ) 「美杉」の意味・わかりやすい解説
美杉
みすぎ
三重県中部、一志郡(いちしぐん)にあった旧村名(美杉村(むら))。現在は津市の南西部を占める一地区。雲出(くもず)川上流にあって奈良県に接する。1955年(昭和30)竹原、八知(やち)、太郎生(たろう)、八幡(やわた)、伊勢地(いせじ)、多気(たげ)、下之川(しものかわ)の7村が合併して成立。2006年(平成18)久居(ひさい)市などとともに津市に合併。JR名松線(めいしょうせん)、国道368号、422号が通じる。区域の86%が山地で、スギ、ヒノキの美林が広がる過疎地区。林業と米作、野菜、茶栽培も行われるが、ほかにみるべき産業はない。奈良県境一帯は室生赤目青山国定公園(むろうあかめあおやまこくていこうえん)域。また中央部は赤目一志峡県立自然公園に指定されている。多気地区の標高600メートルの地にある霧山城跡は南北朝時代の北畠(きたばたけ)氏の本拠地で国指定史跡。東麓(とうろく)の北畠氏館跡(きたばたけしやかたあと)庭園は国指定名勝・史跡。
[伊藤達雄]
『『美杉村史』全2巻(1981・美杉村)』