日本大百科全書(ニッポニカ) 「香良洲」の意味・わかりやすい解説
香良洲
からす
三重県中部、一志郡(いちしぐん)にあった旧町名(香良洲町(ちょう))。現在は津市の東端を占める一地区。1929年(昭和4)矢野(やの)村が名称変更、町制施行して成立。2006年(平成18)久居(ひさい)市などとともに津市に合併。名称は惣(そう)氏神の香良洲神社による。伊勢(いせ)湾に臨み、雲出川(くもずがわ)と雲出川古川とに挟まれた面積約4平方キロメートルの三角州である。最高地点3.9メートルの低平な地で、自然堤防が発達している。水田より畑が多く、特産のナシと蔬菜(そさい)園芸が盛ん。香良洲漁港は沿岸漁業の基地。海岸は白砂青松の伊勢の海県立自然公園の一部で海水浴場となる。なお、1942年から第二次世界大戦終了時の1945年まで三重海軍航空隊が置かれ、予科練生も多くみられた。香良洲歴史資料館の正門は、三重海軍航空隊の隊門を移築したもの。7月に香良洲神社で行われる宮踊りは県の無形民俗文化財に指定されている。
[伊藤達雄]
『『香良洲町史』(1993・香良洲町)』