能勢(町)(読み)のせ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「能勢(町)」の意味・わかりやすい解説

能勢(町)
のせ

大阪府北西端、豊能郡(とよのぐん)の町。京都府、兵庫県と境する。1956年(昭和31)歌垣(うたがき)、田尻(たじり)、西能勢の3村が合併して成立。1959年東郷村を編入。国道173号、477号が通じる。老ノ坂山地(おいのさかさんち)に位置し、500~700メートルの隆起準平原が広がる。集落は猪名(いな)川の支流山辺(やまべ)川や田尻川の小河谷に散在する。町域の大部分林野耕地は少ない。林業のほか、クリ栽培が行われる。また、「大阪の北海道」と称されるように冬季の寒さが厳しく、かつては寒冷の気候を利用した寒天製造が行われた。南東部の豊能町との境界にある妙見山(みょうけんさん)(660メートル)には日蓮(にちれん)宗能勢妙見堂があり、ケーブルやバスが通じ、行楽客も多い。野間の大ケヤキは国指定天然記念物。また、伝統芸能の能勢の浄瑠璃(じょうるり)が国の選択無形民俗文化財となっている。面積98.75平方キロメートル、人口9079(2020)。

[樋口節夫]

『『能勢町史』全5巻(1975~2001・能勢町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android