日本歴史地名大系 「能美島」の解説
能美島
のうみじま
広島市の南方海上二〇キロ、広島湾口のやや東寄りにある周囲八〇キロ、南北一五キロ・東西四キロの島で、中央東部にある
島名は「予章記」の貞治二年(一三六三)の記事に「能美島」とみえる。島全域を荘域とした院領荘園として、高野山検校帳(高野山文書)寛治五年(一〇九一)二月一九日の記事に「能梨庄」とみえ、「高野山興廃記」に「能美庄」がみえる。「乃見」「乃美」とも記された。「経覚私要鈔」応仁元年(一四六七)七月三日条には「ノウヘ」とある。島名の由来について、宝暦一三年(一七六三)の「能美島志」(専念寺蔵)に「山色能美故名能美島、又曰上古有能美翁者、主此島故曰能美島」とあり、「芸藩通志」は「昔能見部氏の所居又は所領にてもありし故に名づくにや」と記す。
大柿町大字大原字
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報