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脱髄疾患(読み)だつずいしっかん(英語表記)demyelinating diseases

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脱髄疾患
だつずいしっかん
demyelinating diseases

神経の髄鞘 (ミエリン鞘) に変性病巣が認められる神経疾患群の総称。病巣の大きさ,形,分布,発展速度は各疾患によって異なる。神経の軸索突起にも障害の起ることがあるが,1次的な変化は髄鞘の変性である。原因は感染説,代謝説,アレルギー説,血管説など多数あるが,明らかでない。臨床検査や病理所見から,脱髄疾患を次のように分ける。 (1) 急性散在性脳脊髄炎,(2) 急性壊死性出血性白質脳炎,(3) 多発性硬化症,(4) びまん性脳硬化症。

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家庭医学館の解説

だつずいしっかん【脱髄疾患 (Demyelinating Disease)】

 神経線維(しんけいせんい)は、中心部を走る軸索(じくさく)とその外側をかこむ髄鞘(ずいしょう)から成り立っています(図「末梢神経の髄鞘、中枢神経の髄鞘」)。髄鞘は、大部分が脂肪で構成されていて、神経の電気伝導を速めるしくみにかかわっています。
 この髄鞘が破壊される(脱髄変化(だつずいへんか))のが脱髄疾患で、ウイルス感染、アルコールなどによる中毒、栄養障害が原因でおこりますが、原因不明のものもあります。この原因不明のものを特発性脱髄(とくはつせいだつずい)といい、ふつう、脱髄疾患といえば、特発性脱髄をさします。
 脱髄疾患は、アレルギー、自己免疫(じこめんえき)などの免疫異常がかかわって発症すると推定されています。脱髄病変が大脳(だいのう)、小脳(しょうのう)、脳幹(のうかん)、脊髄(せきずい)に広く散らばって発生するため、目・顔・口・舌・のど・手足の運動障害や知覚障害、直腸膀胱障害(ちょくちょうぼうこうしょうがい)など、いろいろな症状が複雑に絡み合って出現してきます。多発性硬化症(たはつせいこうかしょう)と急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん)の2つが脱髄疾患の代表です。

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世界大百科事典 第2版の解説

だつずいしっかん【脱髄疾患 demyelinating disease】

神経組織を構成する細胞のうち,髄鞘,または髄鞘を形成する細胞のみが原発性に侵される疾患を脱髄疾患と呼ぶ。したがって脱髄疾患に侵された部位では髄鞘のみは消失するが,神経細胞体やその樹状突起,軸索などは保たれるのが原則である。ただし,このような髄鞘のみの侵害を生ずるものには,一度正常に形成された髄鞘が破壊されるものと,先天性の異常のため,神経発生の途上において髄鞘が形成されないものとが区別される。前者は真に脱髄疾患と呼ばれるべきものであるが,後者は髄鞘形成不全dysmyelinating diseaseであり,これとは区別されなければならない。

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大辞林 第三版の解説

だつずいしっかん【脱髄疾患】

神経繊維を覆っている髄鞘、またそれを形成する細胞が脱落する疾患。脂質代謝異常・自己免疫・ウイルス感染などが原因となる。

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