(読み)マク

デジタル大辞泉 「膜」の意味・読み・例文・類語

まく【膜】

物の表面を覆う薄い皮。
生物体の臓器・組織を覆い、また隔てている薄い平面状の細胞層。
[類語](2粘膜横隔膜角膜胸膜結膜骨膜鼓膜髄膜脳膜弁膜腹膜網膜肋膜

まく【膜】[漢字項目]

常用漢字] [音]マク(呉)
体内器官を覆い、また仕切る薄い皮。「角膜隔膜鼓膜粘膜脳膜皮膜腹膜肋膜ろくまく
物の表面を覆う薄い皮。「被膜半透膜

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精選版 日本国語大辞典 「膜」の意味・読み・例文・類語

まく【膜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 生物体の内にあって、器官をつつんだりへだてたりする平面状の薄い細胞層。たなしし。うすかわ。
    1. [初出の実例]「膜 邁杰(マク)」(出典:日本一鑑窮河話海(1565‐66頃)五)
    2. [その他の文献]〔説文解字〕
  3. 物の表面を覆う薄い皮。うすかわ。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

たな‐しし【膜】

  1. 〘 名詞 〙 肉と皮膚との間の薄い皮。まく。
    1. [初出の実例]「脳、膜(タナシシ)骨髄」(出典:石山寺本大般涅槃経平安初期点(850頃)一一)

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普及版 字通 「膜」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
15画

[字音] マク・ボ・モ
[字訓] まく・うすかわ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ばく)。(幕)の意がある。〔説文〕四下に「(かいまく)なり」という。また〔釈名、釈形体〕に「なり」とあり、肉間の皮膜をいう。

[訓義]
1. まく、あまかわ、うすかわ。
2. たなじし。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 太奈宍(たなじし) 〔和名抄 太奈之々(たなしし) 〔名義抄 タナシシ・マケ(ク)・カシコマル

[語系]
makは同声。幔muanは声義近く、両間を隔てるうすい帳。(暮)makも同系の語で、すべてうすく、とじこめるような状態をいう。

[熟語]
膜外膜視膜拝
[下接語]
角膜・膈膜・結膜・鼓膜・粘膜・被膜・腹膜・網膜・肋膜

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

栄養・生化学辞典 「膜」の解説

 諸種の薄い構造物をいうが,生体膜脂質の二重層で形成され,タンパク質はその中に組み込まれている.⇒流動モザイクモデル

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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