六訂版 家庭医学大全科 「臍帯ヘルニア」の解説
臍帯ヘルニア
さいたいヘルニア
Omphalocele
(子どもの病気)
どんな病気か
臍帯内に
原因は何か
胎生3~4週の
症状の現れ方
出生前に診断される場合が多く、出生後でも臍帯内に脱出腸管が認められるため診断は容易です。臍帯が極端に太いために異常に気づかれ、小さな臍帯ヘルニアが見つかることもあります。
検査と診断
在胎20週ころに胎児エコー(超音波)により診断(出生前診断)される場合が多くなっています。臍帯の膜が破れたものを破裂臍帯ヘルニアと呼びますが、先天性腹壁破裂との見極めが必要になります。他の合併奇形の検索も大切です。
治療の方法
分娩方法による予後への影響はないといわれていますが、小児科と小児外科がすぐに対応できる体制を整えておく必要があります。術前には低体温、脱水、感染に対する治療が必要で、搬送に際してはヘルニア
手術は一期的な閉鎖術が理想ですが、ヘルニア門が大きかったり、腹腔内容積が小さい場合には多段階手術(人工被膜を使用したSchuster法やAllen-Wrenn法など)が必要になります。
術後には脱出臓器の腹腔内還納に伴う腹圧上昇、
病気に気づいたらどうする
出生前診断で疑われた場合は、新生児外科治療の可能な施設での分娩が望まれます。出生後に診断された場合は、同様の施設への緊急搬送が必要です。
和田 雅樹
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報