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衛星国 えいせいこくsatellite state (country)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

衛星国
えいせいこく
satellite state (country)

一つの強国に地理的に近接し,これとほぼ同一の政治体制を有する中小国家群が,その強国の支配または強い影響力を受けつつ,それを中心として同一陣営を形成する場合,これらの中小国家をさして用いられる名称。法的には完全な主権国家であるが,通常,反対陣営から侮蔑あるいは非難の意味をこめて使用される。第2次世界大戦前では,ドイツとイタリア (ベルリン=ローマ枢軸) を中心にして,ルーマニアスロバキアブルガリアクロアチアなどの諸国が反共的ファシズム陣営を形成,反ファシズム陣営のイギリス,アメリカ側から,枢軸衛星国と呼ばれた。戦後は,ソ連の主導下に形成された共産圏における東ヨーロッパの人民民主主義諸国,ドイツ民主共和国,東アジアのモンゴル人民共和国などが,西側諸国からソ連の衛星国と呼ばれた。

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デジタル大辞泉の解説

えいせい‐こく〔ヱイセイ‐〕【衛星国】

強大な国の周囲にあり、政治・経済・外交などの上で、その国の支配または影響を受けている国。第二次大戦後、西側諸国が東欧諸国をソ連の衛星国と呼んだことに始まる。

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百科事典マイペディアの解説

衛星国【えいせいこく】

大国のまわりに位置し,大国に従属している近似した政治体制をもつ小国をいう。第2次大戦後の冷戦状態の中で多くの小国が米国とソ連の衛星国となった。反対陣営,特に東欧圏諸国に対する西欧側からの呼称

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世界大百科事典 第2版の解説

えいせいこく【衛星国 satellite states】

主権国家として独立はしていながらも,軍事・外交政策から経済政策,さらに政治体制の基本的性格に至るまで,国外の大国がとる政策に拘束され,常に追随した行動をとる国家のことを,批判的に形容した用語。語源は王朝時代のフランスにさかのぼるが,政治体制の間のイデオロギー的対立が激しくなった第1次大戦後に,相手の陣営に参画した諸国を非難する政治目的から用いられるようになった。第2次大戦前・大戦中には,枢軸側諸国に加わった中欧・東欧諸国がナチス・ドイツの衛星国と呼ばれ,また事実上の日本支配下におかれた満州国と南洋諸国も日本の衛星国と呼ばれることがあった。

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大辞林 第三版の解説

えいせいこく【衛星国】

大国の周辺にあって、内政・外交が事実上その国に支配されている国家。 〔第二次大戦後、東ヨーロッパ諸国を「ソ連の衛星国」と呼んだことから用いられるようになった〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

衛星国
えいせいこく
satellite states

国際政治において、一つの大国を中心に同一陣営を形成し、共同行動をとる中小国家のことをいう。多くの場合、大国とイデオロギーが共通で政治体制が類似しているか、または地理的にも大国と接近していて、有形無形の圧力を受けているなどの理由で、独立国家でありながら自主的な外交をとらない国々をけなしてこういった。第二次世界大戦前ではナチス・ドイツを中心に共同行動をとったハンガリー、ブルガリア、ルーマニアなど、また第二次世界大戦後では、ソ連の影響下にあったポーランド、ブルガリア、チェコスロバキア、統一前の東ドイツなど、いわゆる東欧共産圏諸国がそれにあたる。[藤村瞬一]

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