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新小説 しんしょうせつsin-sosǒl

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

新小説
しんしょうせつ
sin-sosǒl

朝鮮文学において,20世紀初頭,西欧近代思想の刺激を受けて現れた新しい小説形式をいう。それ以前の小説を旧小説あるいは古典小説と呼び,新小説のあとには本格的な近代小説が登場する。あえて対比すれば,新小説は日本の明治初期の政治小説に相当する。光武 10 (1906) 年からの 10年間に重要作品が集中した。特徴は,言語,手法,人物の性格創造などにおける新しさ,新しい環境における人間の生活とその思想,感情の表現などに求められる。代表的作家は,李海朝李人稙,崔 瓚植,安国善ら。李海朝の作品『鬢上雪』 (08) は蓄妾制度が一家の破滅をもたらす物語であり,『駆魔剣』 (08) は迷信への批判をテーマとし,『自由鐘』 (10) は婦人解放,民族主体精神の鼓吹,近代的教育の必要性を説いている。李人稙には,自由結婚をテーマとした『血の涙』 (06) ,両班 (ヤンバン) 階級の腐敗と庶民の反抗精神を描いた『鬼の声』 (06~07) などがある。

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デジタル大辞泉の解説

しんしょうせつ〔シンセウセツ〕【新小説】

文芸雑誌。明治22年(1889)1月、饗庭篁村(あえばこうそん)らにより創刊、いったん中絶、同29年7月、幸田露伴の編集で再刊。昭和2年(1927)1月「黒潮」と改題、同年3月春陽堂発行。夏目漱石の「草枕」や田山花袋の「蒲団(ふとん)」など、多くの名作を発表した。

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百科事典マイペディアの解説

新小説【しんしょうせつ】

文芸雑誌。第1次1889年1月―1890年6月,第2次1896年7月―1926年11月。春陽堂発行。第1次は新文学の勃興期に沿った企画で,須藤南翠森田思軒饗庭篁村石橋忍月依田学海山田美妙ら14名の文学同好会による編集・発行の時代。

新小説【しんしょうせつ】

朝鮮の近代初期に現れた過渡的な小説形態。20世紀初期に新たな文物や思想を題材にして書かれたが日本の政治小説の翻案もあり,形式は古い時代の物語を借りている。作品に李仁稙〔1862-1916〕《血の涙》《鬼の声》などがある。
→関連項目李海朝李人稙

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大辞林 第三版の解説

しんしょうせつ【新小説】

文芸雑誌。1889年(明治22)須藤南翠、森田思軒らにより創刊、翌年廃刊。96年幸田露伴の編集で春陽堂より再刊。のちに後藤宙外を迎え、文壇を代表する文芸雑誌となった。

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世界大百科事典内の新小説の言及

【朝鮮文学】より

…近代文学の出発点をどこに置くかについて異論はあるが,19世紀末・20世紀初頭とするのが通例である。20世紀初頭の開化期にあっては〈唱歌〉〈新体詩〉〈新小説〉が一世を風靡した。新小説とは,自主独立・近代的教育の必要性を説いた李人稙の《血の涙》(1906),因習打破・婦権拡張を説いた李海朝の《自由鐘》(1910)などをはじめ,社会的問題をテーマにして1916年ころまで書かれた一群の小説をさし,思想面でも文体面でも未熟ではあったが,4・4調や4・3調等で新しい社会事象をうたった唱歌,旧来の定形詩の枠を打ち破った新体詩と並んで,朝鮮に近代文学の萌芽をもたらしたものといえる。…

【李人稙】より

…彼は個人的に李完用に近く,小説中にも日本への過大な期待が溢れている。しかしながら20世紀初頭朝鮮に本格的近代文学の発生を準備した〈新小説〉の代表的作家としての彼の功績は大きい。自主独立・民主主義・新教育・婦人解放・自由恋愛等の近代思想を盛り込んであらわれた〈新小説〉の,最初にして最大の作家が李人稙といえよう。…

※「新小説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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