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芸亭 うんてい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

芸亭
うんてい

芸亭院ともいう。日本最古の公開図書館奈良時代末期,淡海三船 (おうみのみふね) とともに文名の高かった石上宅嗣 (いそのかみのやかつぐ) が,自宅を阿 閦寺 (あしゅくじ) とし,寺内の東南隅に建てたもの。

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百科事典マイペディアの解説

芸亭【うんてい】

日本最初の公開図書館。奈良時代末,石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)の設立で,彼は旧宅を寺とし,その一隅に漢籍を収めた書庫を設け,自由に閲覧させたという。芸亭院とも。
→関連項目図書館

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世界大百科事典 第2版の解説

うんてい【芸亭】

奈良時代末に有名な文人の大納言石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が設けた書庫。日本最初の公開図書館とされる。芸亭院ともいう。《続日本紀》天応1年(781)6月条の宅嗣の伝などによれば,彼は自宅を改造して阿閦寺(あしゆくじ)を建立し,寺の南東隅に外典(げてん)の書庫を中心とする一区域を設けて芸亭と名付け,好学者に自由に閲覧させたという。阿閦寺は,平城京の左京2条,奈良市法華寺の南東にあったらしい。芸亭の〈芸〉は〈芸〉とは別字で,一種の香草をいい,虫害を防ぐために書巻の中に入れたことから書籍の意にも用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


うんてい

奈良時代の末期、石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が開いた、わが国最古の公開図書館。『続日本紀(しょくにほんぎ)』によると、宅嗣がその旧宅を阿(あしゅくじ)として、寺内の一隅に外典(げてん)(仏教関係以外の書)を収蔵する書庫を設け、亭と名づけ、閲覧を希望する好学の士があれば、自由にこれを許したとある。亭の「」は香草のことで、虫を防ぐため書籍に挟んだのが書籍の別名になったからとか、阿如来(にょらい)を示す梵字(ぼんじ)の「ウン」と同音の漢字からとったとの説がある。その場所は奈良の法華寺(ほっけじ)の南東の地で、近年この地の発掘調査が行われた。[大塚徳郎]

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図書館情報学用語辞典の解説

芸亭

「うんてい」と読む.奈良時代末期(設立年は不詳),文人石上宅嗣が,奈良の自宅を阿寺とし,その一隅に置いた図書館.奈良時代後半,藤原氏が政権を掌握する過程や,仏教が政治と結び付いて腐敗する状況を見ていた宅嗣が,晩年になって仏教と儒教の統一による新たな思想の模索を目指し,読書,思索,論議の場として芸亭を開設した.同じ志を持つ人々が集い,学び,論議したようである.日本最初の公開図書館といわれるが,宅嗣が属する物部氏一族のための閉鎖的な組織ではなかったものの,その性格からすれば会員制の図書館と呼ぶ方が適切と思われる.宅嗣の死後いつしか失われた.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
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世界大百科事典内の芸亭の言及

【阿閦】より

…日本における《阿閦仏国経》の最古の記録は,736年(天平8)の正倉院文書(《写経請本帳》)である。また,石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)が建てた芸亭(うんてい)は,自宅を改造した阿閦寺の境内にあった。この寺名は,阿閦仏が本尊として安置されていた可能性を示唆している。…

【石上宅嗣】より

…彼の信条は儒教,仏教の調和にあり,仏教にも帰依して自宅を阿閦寺(あしゆくじ)という寺にしている。この寺の南東に建てられた芸亭(うんてい)は,儒教の典籍を収蔵し,好学の徒に開放したもので,日本最初の公開図書館として名高い。平安初期に文人として名を成した賀陽豊年(かやのとよとし)は,ここで学んだ。…

【図書館】より

…このような気運のもとで,多くの図書を集め多くの人の閲覧に供するという狭義での図書館も誕生することになった。聖徳太子の夢殿,大宝令の規定に見える中務(なかつかさ)省の図書(ずしよ)寮,東大寺など大寺に付設された経蔵,さらには吉備真備(きびのまきび)や玄昉(げんぼう)など知識人の私的な文庫も広義の図書館と考えることができるが,一般には石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が奈良の地において,私邸に阿閦(あしゆく)寺を建立し,その境内に芸亭(うんてい)と称する書斎を設け公開したものが日本における公開図書館の発祥とされる(8世紀後半)。また,菅原道真はその書斎文庫の紅梅殿(こうばいどの)を他人にも公開したといわれる。…

【文庫】より


[日本における歴史]
 大宝律令には図書寮のほか文殿,校書殿などの名が見られ,寺社では経を収納する経蔵を有していた。上代の個人文庫の始まりは,奈良時代末期に石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が邸内に設けた芸亭(うんてい)で,奈良県天理市に顕彰碑があるほか,遺構とみられるものが発見されている。ほかに菅原道真の紅梅殿,大江匡房の千種(ちぐさ)文庫,日野資業の法界寺文庫などがあったが,火災などで今日に伝わっていない。…

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