茶托(読み)ちゃたく

日本大百科全書(ニッポニカ)「茶托」の解説

茶托
ちゃたく

を客に勧めるとき、茶碗(ちゃわん)をのせる。当初は茶台とよばれ、円形で脚のついたもの、鐔(つば)のあるものなど、形状は種々でおもに漆器であった。江戸時代中期の百科事典の『和漢三才図会』(寺島良安(りょうあん)編)には、「托子」の見出しに「ちゃだい」と振り仮名がつき、俗に茶台と書くと解説する。この「子」という表記は、室町時代から江戸時代において資料に頻出する。

 茶托という名称は、おもに江戸中期からの煎茶(せんちゃ)の流行に伴い、煎茶道具の一つとして一般化した。この意味での茶托は、錫(すず)製を最上とし、円形の木瓜(もっこう)型、楕円(だえん)型など、さまざまな種類がある。

[森谷尅久]

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精選版 日本国語大辞典「茶托」の解説

ちゃ‐たく【茶托】

〘名〙 茶を客にすすめる時などに、茶碗をのせる台。多くは漆器。→茶台。〔和漢三才図会(1712)〕
※伊豆の踊子(1926)〈川端康成〉二「茶碗が茶托(チャタク)から落ちかかり」

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世界大百科事典内の茶托の言及

【煎茶道】より

…口縁の反り返った端反(はたぞり),反り返りのない盌の2型に大別され,古染付を最上とし,白磁,赤絵,金襴手,黄釉などが好まれている。(5)茶托 茶碗を載せる台。古スズのものを最上とする。…

※「茶托」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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