「丼」には「集韻」に「投二物井中一声」とあるように、井戸に物を投げいれた音の意がある。名詞ドンブリに「丼」があてられたのは、井戸に物を投げいれたときの音をさす副詞ドンブリに対応する漢語が「丼」であったことによるか。
食物を盛る陶磁器の深鉢。また,それに飯を盛ってウナギの蒲焼,てんぷらなどをのせた丼飯,丼物の略称。水に物を投げ入れたときの音をとっての名だというが,はっきりしない。この語は17世紀末ごろから見られ,おもにそばのかけや種物などを入れる器として用いられていたが,1781年(天明1),旗本布施胤致(狂名山手白人(やまのてしろひと))が洲崎の料亭主升屋宗助(ますやそうすけ)を自邸に招待したさいの献立書には,平鉢,大鉢などのほかに〈南京染付どんぶり〉の名が見えている。やがて飯の上にウナギの蒲焼をのせて,たれをかける〈うなぎ丼〉などが考案されると,簡便,美味なその方式が庶民の愛好するところとなり,《江戸名所図会》巻一〈中橋〉の図中に見られるごとく,〈丼物〉なる語を生むにいたった。現在ひろく見られる丼物には,〈うなぎ丼〉略して〈うなどん〉,てんぷら丼の〈天どん〉のほか,とんカツを使う〈かつどん〉,鶏肉,タマネギ,ミツバなどを卵とじにしてのせる〈親子丼〉,鶏肉のかわりに牛肉を使う〈開化丼〉,牛肉の煮込みをかける〈牛どん〉,マグロの刺身をすし飯にのせる〈鉄火丼〉,かまぼこ,シイタケなどをとり合わせる〈木の葉丼〉など種類は多い。
執筆者:鈴木 晋一+松本 仲子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
厚みがあり、大きくて深い焼物の鉢。丼鉢ともいう。丼飯、丼物の略称にも用いられる。江戸時代の中ごろから丼の名がみられ、おもにそばかけの類が丼に盛って売られていた。当時は丼には蓋(ふた)がなかった。現在も、そば、うどんなど麺類(めんるい)は、丼に入れて蓋をしないで供している。
[河野友美]
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