茶湯(読み)チャトウ

デジタル大辞泉 「茶湯」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐とう〔‐タウ〕【茶湯】

仏前霊前に供える煎茶湯。禅家では忌日などに仏前に供える茶と湯をいう。さとう。

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精選版 日本国語大辞典 「茶湯」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐の‐ゆ【茶湯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人を招いて抹茶をたててもてなすこと。また、その作法や会合。茶道
    1. <a href=茶の湯〈人倫訓蒙図彙〉" />
      茶の湯人倫訓蒙図彙
    2. [初出の実例]「二月堂参籠〈略〉茶湯等事樋坊に仰付之了」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明四年(1472)二月八日)
    3. 「一年余も対陣して戦ふ事無れば戦必見合せ、休息の間茶の湯を催したるを」(出典:明良洪範(1688‐1704頃か)一六)
  3. 茶をたてるためにわかす湯。
    1. [初出の実例]「竹筧に甘泉を分けて、石鼎に茶の湯(ユ)をたて置きたり」(出典:太平記(14C後)三九)
  4. 湯をわかして茶の支度をする部屋。→茶の間
    1. [初出の実例]「いはあなのうちには〈略〉ちゃのゆなんどこしらへて、さも人のすむやうにぞみえにけり」(出典:御伽草子・あきみち(室町末))

茶湯の語誌

( について ) ( 1 )鎌倉時代末に至って茶を薬用として飲むことから遊びとしての喫茶が登場する。一方、室町時代、武家の間で静粛な喫茶の寄合が持たれ、美術品などを鑑賞しながら行なわれる儀式的な喫茶の風も生まれ、両者を総合しつつ、禅林僧堂において遵守されてきた喫茶の儀礼を基本においてわび茶の湯が形成され、千利休らによって大成された。
( 2 )江戸時代を通じて町人社会に遊芸として流行するほか、「茶道」とも呼ばれるように理念的な道意識をもったものを生んだ。→「ちゃ(茶)」の語誌


ちゃ‐とう‥タウ【茶湯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 茶と湯。また、抹茶に熱湯を注いでかき混ぜたもの。かわきを癒す以外に、医薬品としても服用された。また、僧侶の間では居眠り防止の効用が重視された。
    1. [初出の実例]「茶湯一埦、逍遙也足」(出典:性霊集‐三(835頃)和尚中寿感興詩)
    2. [その他の文献]〔王建‐宮詞〕
  3. ( ━する ) 茶を仏前や霊前に供えること。また、その煎茶。おちゃとう。
    1. [初出の実例]「Chatǒuo(チャタウヲ)アグル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    2. 「仏壇へ茶湯(チャタウ)をして」(出典:歌舞伎・船打込橋間白浪(鋳掛松)(1866)三幕)

さ‐とう‥タウ【茶湯】

  1. 〘 名詞 〙ちゃとう(茶湯)

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普及版 字通 「茶湯」の読み・字形・画数・意味

【茶湯】ちやとう(たう)・さとう(たう)

湯茶。〔夢粱録十六茶肆夜市、大街に車擔(しやたん)もて舖(ふほ)(屋台)を設くるり。湯を點じ、以ての人にす。

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