草笛(読み)くさぶえ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

草笛
くさぶえ

自然物を応用した笛玩具(がんぐ)。草の葉を唇(くちびる)にあてて笛のように鳴らすもの、あるいは葉を巻いて笛のようにつくったものなど、材料によっていろいろな種類がある。古くから子供の手作りによる季節玩具として親しまれ、平安時代中期の『うつほ物語』に「人の遊びせん所には、くさかりぶえ吹くばかりの心どもにて、いと無心にて侍(はべ)り」とあり、草刈り笛の名でよばれた。カシ、シイ、ナンテン、ツバキなどの若葉を用いる「柴(しば)笛」、ショウブの葉の重なった部分を80センチメートルほどに切り取り、下部を指で押さえながら吹き鳴らす「菖蒲(しょうぶ)笛」、ムギの葉の先端を摘み取り、中央の芯葉(しんば)を巻いて吹き鳴らす「麦笛」、アシの葉を材料にした「芦(あし)笛」などがある。

[斎藤良輔]

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デジタル大辞泉の解説

くさ‐ぶえ【草笛】

草の葉や麦などの茎を口にあて、のように吹いて鳴らすもの。 夏》「友だちのなき―を鳴らしけり/風生

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精選版 日本国語大辞典の解説

くさ‐ぶえ【草笛】

〘名〙
※宇津保(970‐999頃)内侍督「『草の中に笛の音のし侍るを尋ねてなん』、うへ『草ぶえをこそは吹きけれ』」
② 草の葉を巻いたり、草の茎を切り取ったりして作った笛。《季・夏》
※落梅集(1901)〈島崎藤村〉小諸なる古城のほとり「暮れ行けば浅間も見えず 歌哀し佐久の草笛(クサブエ)
③ 雅楽に使う横笛に対して、民間で行なわれる俗謡や祭囃子(まつりばやし)などに使用する七孔の横笛。芝居で、哀れな場面などにも用いる。しのぶえ。
※俳諧・江戸新八百韻(1756)「松吹消してよらせ候へ〈亀成〉 草笛の神楽涼しき夏の夜に〈存義〉」

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

くさぶえ【草笛】

長野のそば焼酎。酒名は、島崎藤村の「歌表し、佐久の草笛」にちなみ命名八ヶ岳伏流水を用いて仕込み、甕で熟成させる。原料はそば、米、米麹。アルコール度数25%、35%、42%。麦焼酎、トマト焼酎もある。蔵元の「戸塚酒造店」は承応2年(1653)創業。清酒寒竹」の醸造元。所在地は佐久市岩村田。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報