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華夷訳語 かいやくごHua-yi yi-yü; Hua-i i-yü

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

華夷訳語
かいやくご
Hua-yi yi-yü; Hua-i i-yü

中国の明・清時代につくられた中国語と外国語との対訳辞書。初め明初の洪武 15 (1382) 年にモンゴル語のものができ,その後翻訳官庁である明の四夷館や清の四訳館などで編纂された。その体裁により3種類に大別され,日本語,朝鮮語,ビルマ語,タイ語など十数ヵ国語についてつくられている。

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デジタル大辞泉の解説

かいやくご〔クワイヤクゴ〕【華夷訳語】

中国語とその周辺の外国語との対訳辞書。明(みん)洪武帝の命で、1382年、モンゴル語から編纂(へんさん)され始めた。単語集と上表文集からなり、日本・朝鮮のほか北・南・西アジア各地の十数か国語のものがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

かいやくご【華夷訳語 Huá yí yì yǔ】

中国で14世紀から19世紀にかけて編纂された,中国語と外国語の辞書のこと。数種類あるが,1382年(洪武15)に編纂されたものがもっとも古く,モンゴル語・漢語の対訳辞書と,モンゴルから明に送られた手紙(来文)から成っている(甲種本)。また明の対外的発展とともに1407年(永楽5)に四夷館が設置され,明との交渉を持つ外国のことばの対訳辞書が編纂された。これには原文字,その漢字音と漢訳の3種が併記され,また来文も付されている(乙種本)。

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大辞林 第三版の解説

かいやくご【華夷訳語】

中国語と近隣諸言語との対訳辞書。明代の1382年、蒙古語との辞書の編纂が最初。一九世紀までに朝廷の翻訳館で用いるために各国語のものが編纂された。日本語関係では「日本館訳語」と「琉球館訳語」がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

華夷訳語
かいやくご

中国、明(みん)・清(しん)代に編集された漢語と外国語との対訳語彙(ごい)・文例集。明初の1407年に四夷館(しいかん)が創設されて、外国の朝貢使が明の皇帝に出す書簡の翻訳をつかさどった。初め、韃靼(だったん)、女直(じょちょく)、西番(せいばん)、西天(せいてん)、回回(かいかい)、百夷(ひゃくい)、高昌(こうしょう)、緬甸(めんでん)の8館が設けられ、ついで八百館、暹羅(せんら)館が増置された。清代には四訳館(しやくかん)と改名し、女直、百夷を除く8館を置いたが、18世紀中ごろ会同館と合併して会同四訳館と名づけられた。このような四夷館で編集されたものが、華夷訳語とよばれる一連の書物である。それらは、当時の外国語の言語構造や発音、あるいは漢字音を知るうえで重要な言語資料とされている。[若松 寛]

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世界大百科事典内の華夷訳語の言及

【女真文字】より

…日本でも鎌倉幕府の記録《吾妻鏡》の貞応3年(1224)の条に,前年漂着の高麗人の帯の銀筒に刻まれていたという女真文字4字の写しが載っている。明時代のものには〈永寧寺碑〉の碑文のほか,中国語と近隣言語との対訳語集《華夷訳語》のうちの《女直館訳語》と《女直館来文》がある。女真文字の字形は漢字,契丹文字に似ており(図参照),書き方も漢字のように右から左へたて書きにする。…

※「華夷訳語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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