コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

葛生人 くずうじん

世界大百科事典 第2版の解説

くずうじん【葛生人】

1950年,栃木県安蘇郡葛生町一帯の石灰岩にできた割れ目から発見され,直良(なおら)信夫が葛生原人として報告した一群の化石骨である。化石は葛生町大叶(おがの)第10丁場,第1洞穴から右側上腕骨下端部,左側上腕骨骨体部および左側大腿骨下端部の3個,また同町前河原北山上部洞穴から下顎骨,左腕上腕骨下端および右側大腿骨骨体部の破片3個,計6個である。高井冬二によると,化石骨を産出したのは,上部葛生層および下部葛生層であるが,これらの地層はそれぞれ後期更新世,中期更新世に比定される。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

葛生人
くずうじん

1950年代前半に栃木県安蘇(あそ)郡葛生町(現栃木県佐野市)の石灰山で発見され、化石人骨とされた骨の通称。葛生町大叶(おおがのう)の洞窟から1950年(昭和25)に出土した上腕(じょうわん)骨および大腿(だいたい)骨の破片、および同町山菅(やますげ)前河原の洞窟から1951年に出土した上腕骨、大腿骨、下顎(かがく)骨の破片など合計8点があり、直良信夫(なおらのぶお)によって報告された。直良はHomo? tokunagaiの種名と葛生原人の和名を与え、時代は中期更新世とした。しかしその後の調査により8点の骨のうちにはクマ、トラ、サルの骨の誤認があり、2001年(平成13)に人骨の2点を炭素14法などで調べた結果、15世紀頃の骨であることが判明し、現在では確実な化石人骨は1点も存在しない。[春成秀爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の葛生人の言及

【足尾山地】より

…山地内の谷底平野には水田が開け,コンニャクイモ,イチゴが栽培され,小規模ながら大麻も作られる。葛生町の石灰洞窟から発見された化石骨は葛生人として発表された。また,永野川の谷,栃木市星野では縄文時代の住居跡(星野遺跡)が発掘されている。…

※「葛生人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

葛生人の関連キーワード栃木県佐野市春成秀爾

今日のキーワード

硫黄山(いおうやま)

標高1317メートルの活火山で、火口は登山者に人気のある韓国(からくに)岳(1700メートル)の登山道沿いにある。硫黄の結晶が鉱山で採れたため、硫黄山と呼ばれるようになったという。直近の噴火は1768...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android