デジタル大辞泉
「藤娘」の意味・読み・例文・類語
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ふじ‐むすめふぢ‥【藤娘】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 大津絵の画題の一つ。塗笠をかぶり、藤の花の模様の衣装を着て、藤の枝を肩にした娘姿。
- [ 2 ] 歌舞伎所作事。長唄。勝井源八作詞。四世杵屋六三郎作曲。二世藤間勘十郎・四世西川扇蔵振付。文政九年(一八二六)江戸中村座初演。二世関三十郎の五変化舞踊「哥へすがへす余波大津絵(かえすがえすおなごりおおつえ)」の一つ。[ 一 ]を舞踊化したもの。
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藤娘 (ふじむすめ)
歌舞伎舞踊。長唄。五変化所作事《歌へす歌へす余波大津絵(かえすがえすおなごりおおつえ)》の一曲。2世関三十郎により,1826年(文政9)9月江戸中村座初演。作詞勝井源八。作曲4世杵屋六三郎。振付藤間大助(2世藤間勘十郎),4世西川扇蔵。大津絵にある藤の枝をかついだ娘が絵からぬけ出して踊る趣向であるが,6世尾上菊五郎が1937年3月に藤の花の精として上演して以来,これを踏襲することが多い。
執筆者:如月 青子
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藤娘【ふじむすめ】
長唄の曲名。変化舞踊《歌(か)へすがへす余波(おなごり)大津絵》の第1曲。勝井源八作詞,4世杵屋六三郎作曲。1826年初演。大津絵の可憐な藤娘を舞踊化したもので,今日最もポピュラーな舞踊曲となっている。曲の中に〈潮来(いたこ)節〉を挿入するが,これは富本節の《藤娘》の影響である。
→関連項目所作事|変化舞踊
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藤娘
ふじむすめ
歌舞伎舞踊の曲名。長唄。作詞勝井源八,作曲4世杵屋六三郎,振付藤間大助,西川扇蔵。文政9 (1826) 年9月江戸中村座で2世関三十郎が『けいせい反魂香 (けいせいはんごんこう) 』に出した大切所作事五変化『歌 (か) へすがへす余波 (おなごり) 大津絵』中の一つとして初演。大津絵から抜け出し,藤の枝をかついだ娘の姿を見せる女方舞踊の代表的な作品。のちに6世尾上菊五郎が,クドキのあとの「潮来出島」のくだりを新たに岡鬼太郎の補綴による「藤音頭」に差替えて,大きな花房の藤のからんだ松の立ち木を舞台に据え,娘のほろ酔い姿を見せたのが評判を呼び,以来この「藤音頭」で踊られることが多い。ほかに3世中村仲蔵は,若衆の鷹匠をからませた富本『仲蔵の藤娘』を残している。
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藤娘
ふじむすめ
歌舞伎(かぶき)舞踊。長唄(ながうた)。1826年(文政9)9月、江戸・中村座で2世関(せき)三十郎が初演。当時愛玩(あいがん)された風俗画「大津絵」に取材した五変化舞踊『歌へす歌へす余波大津絵(かえすがえすおなごりおおつえ)』の一つで、作詞勝井源八、作曲4世杵屋(きねや)六三郎。振付けは藤間大助(2世勘十郎)と4世西川扇蔵(せんぞう)。藤の枝を担いだ娘がさまざまな姿態をみせるもの。1937年(昭和12)3月に6世尾上(おのえ)菊五郎が演じたとき、従来の「潮来出島(いたこでじま)」のくだりを排し、岡鬼太郎(おにたろう)新作の「藤音頭(ふじおんど)」を入れ、幻想的な舞台装置で振(ふり)にも趣向を凝らしたのが評判になり、以後はそのやり方が多く行われている。
[松井俊諭]
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ふじむすめ【藤娘】
高知の日本酒。酒名は、土佐国司・一条兼定が豊後に落ちる際に詠んだ惜別の歌にちなみ命名。大吟醸酒、純米吟醸酒、本醸造酒などがある。平成14年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、吟の夢など。仕込み水は四万十川の伏流水。蔵元の「藤娘酒造」は昭和22年(1947)6つの蔵が合併し設立。所在地は四万十市中村新町。
ふじむすめ【藤娘】
岡山の日本酒。仕込み水は自家井戸水。蔵元の「後藤酒造」は元和元年(1615)創業。所在地は苫田郡鏡野町香々美。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
藤娘
(通称)
ふじむすめ
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 元の外題
- 大津絵藤娘 など
- 初演
- 文政9.9(江戸・中村座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報