冬季、手足を暖めるために用いられた移動式の暖房具。小形箱状の外囲いの中に、土製の火入れを置き、その上に薄いふとんなどをかけた。アンカの語は行火炉(あんかろ)の下略で、室町時代に禅僧によって広められたという。行火の外囲いは、多く木製、土製で、熱気が四方に広がるように、前面または前後両面をあけて、他面は囲いとしたり、前面だけをあけ、他面には三日月形などの透かしをくふうしたものもあった。この中に火入れを置き、たどん、燠(おき)、炭火(すみび)をいけた。
なお、近世には辻番(つじばん)などでもよく用いられたので、行火のことを「つじばん」ともよんだ。のちに持ち運びできる置きごたつが用いられるようになって、行火とこたつの区別があいまいになった。
[宮本瑞夫]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…当時,土火鉢という瓦製の安物の火鉢があり,こわれやすいために木箱に入れて使っていたが,これを櫓に変えて布団をかけるようにしたもののようである。また置きごたつの一種に行火(あんか)がある。櫓の代りにやきものや石で作った覆箱を用い,形はいろいろあるが,小型であることと火持ちがよいことから湯たんぽのように寝るときの暖房としてよく用いられた。…
…円形で下に小さな脚のついた瓦製のものもよく使われたが,小型品は手あぶりとも呼んだ。また桐火桶と呼ぶ透しをつけた桐箱の中に瓦製の火入れを入れる行火(あんか)もある。その他正倉院に白石火舎(はくせきかしや)(大理石製),金銅・白銅火舎とよばれる火鉢もある。…
※「行火」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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