炬燵(読み)コタツ

デジタル大辞泉 「炬燵」の意味・読み・例文・類語

こ‐たつ【××燵/×燵】

熱源やぐらおおい、その上に布団を掛けて暖をとるもの。切りごたつ掘りごたつ)・置きごたつ電気ごたつなど。 冬》「下戸一人酒に逃げたる―哉/太祇
[類語]暖房ヒーターセントラルヒーティングスチームスチームヒーターオンドル囲炉裏暖炉ペチカストーブ火鉢手あぶり湯たんぽ懐炉熱器具

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精選版 日本国語大辞典 「炬燵」の意味・読み・例文・類語

こ‐たつ【炬燵・火燵】

  1. 〘 名詞 〙 床に炉を設け、上にやぐらを置き、ふとんを掛けて暖をとるもの。掘りごたつ。また、簡便にやぐらの底に板を張ってこれに火入れをおく置きごたつや、電気ごたつなどもある。室町時代に禅宗から広まり、古くは、やぐらそのものをこたつと呼んだ。おこたつ。おこた。《 季語・冬 》 〔文明本節用集(室町中)〕
    1. 炬燵〈西鶴織留〉
      炬燵〈西鶴織留〉
    2. [初出の実例]「寒やみを直すこたつのひやく哉〈宗宇〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)六)

炬燵の補助注記

漢字表記としては、「炬燵」「火燵」のほか、「火闥」とも書くが、いずれも宛字。

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改訂新版 世界大百科事典 「炬燵」の意味・わかりやすい解説

炬燵 (こたつ)

炉の上に櫓(やぐら)をかけ布団で覆って暖を採る設備。炬燵,火燵,火闥,火榻などと書くが,日本での造語である。掘りごたつと置きごたつとあり,掘りごたつは囲炉裏から,置きごたつは火鉢から発達している。掘りごたつのほうが古く,室町時代に出現した。最初は,囲炉裏の火が〈おき〉になったときなどに上に櫓をかけ,紙子(かみこ)などをかぶせて,櫓に足をのせて暖めていたようだ。このため櫓も低く,形も櫓の上面が格子でなく簀の子になっていたようである。江戸初期には御所の中などにも掘りごたつが設けられている。大部屋用には大ごたつという長方形の大きなこたつもあった。これらのこたつは床(ゆか)を掘り下げた炉の周囲を石で囲み,木製の炉縁を入れて格子組みの櫓をかけたものである。元禄(1688-1704)ころになると一般にもかなり普及していたようで,大坂あたりではすでに既製品のこたつ櫓が売られている。置きごたつもこのころには出て来るが,これは掘りごたつにヒントを得たものらしい。当時,土火鉢という瓦製の安物の火鉢があり,こわれやすいために木箱に入れて使っていたが,これを櫓に変えて布団をかけるようにしたもののようである。また置きごたつの一種に行火(あんか)がある。櫓の代りにやきものや石で作った覆箱を用い,形はいろいろあるが,小型であることと火持ちがよいことから湯たんぽのように寝るときの暖房としてよく用いられた。こたつの発達をうながした最大の要因は,木綿生産の進展による木綿布団の普及と,木炭・たどんなどの燃料生産の増大であった。あくまでも内向きのものであったため,内弁慶のことを〈こたつ弁慶〉などともいう。こたつは近世,近代を通して庶民の重要な暖房具であったが,第2次大戦後は椅子座化が進み,炉の深い掘りごたつが主流になった。また昭和30年(1955)ころから電気ごたつに代わった。
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家とインテリアの用語がわかる辞典 「炬燵」の解説

こたつ【炬燵/火燵】

炭火電熱などの熱源を櫓(やぐら)とよばれる木枠で囲み、ふとんをかけて暖をとる日本独特の暖房器具。床の一部を掘り下げた掘りごたつと、ちゃぶ台のように移動可能な置きごたつがあり、現代の一般家庭では後者が主流。ふとんをはずせば普通のローテーブルとして使える家具調こたつや、椅子(いす)に座って使う脚の長いものもある。

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日本文化いろは事典 「炬燵」の解説

炬燵

炬燵は、室内全体用の暖房器具が発達し、普及した現在でも、それらと併用される形で、1人暮らしの人から5〜6人の家族まで幅広く使われています。それに は、炬燵の電気代がエアコンや床暖房よりも安く収まることや、直接的な温もりの心地よさというものが要因として挙げられるでしょう。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「炬燵」の解説

炬燵
(通称)
こたつ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
時雨の炬燵
初演
明治39.4(東京・新富座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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