裏金(読み)ウラガネ

デジタル大辞泉 「裏金」の意味・読み・例文・類語

うら‐がね【裏金】

取引などで、事をうまく運ぶため表に出さないで支払う金銭。「裏金が動く」
帳簿に記載せず、不正に隠し持っている金銭。「二重帳簿裏金を管理する」
(「裏鉄」とも書く)雪駄せったなどの裏のかかと部分に打ちつける鉄の薄板
かんなの刃の裏がわにつける小形の刃。
[類語](1賄賂まいない袖の下鼻薬リベートコミッション贈賄収賄実弾

うら‐きん【裏金】

日本画で、絵絹の裏から金箔きんぱくを当てたもの。裏箔うらはく
裏に金箔を張った陣笠じんがさ侍大将などがかぶった。
江戸時代藩札発行の際に、その兌換だかんのために用意した金。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「裏金」の意味・読み・例文・類語

うら‐きん【裏金】

〘名〙
① 江戸時代、藩札などを発行する際に、その兌換(だかん)準備とされた金のこと。御備銀(おそなえぎん)。備銭。
② 裏に金箔を塗ってある陣笠。侍大将など上級武士が用いたもの。
※禁令考‐前集・第二・巻一八・文久三年(1863)八月「端反笠を廃し陣笠を可用旨達〈略〉布衣以上、表黒裏金」
③ 日本画で、絵絹の裏から金箔をあてたもの。裏箔。〔訂正増補新らしい言葉字引(1919)〕

うら‐がね【裏金】

〘名〙
① ものの裏面に打ちつけた鉄の薄板。特に、雪駄(せった)の裏のかかとの部分につけるもの。また、それをつけた雪駄。尻金。
浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)上「上物のうらがね二千足とだに有ふ」
② 取引などで、こちらの思うように事を運ぶため、表に出さないで、相手に与える金銭。
※こども(1968)〈北杜夫〉三「その学校へ入れるためにかなりの額の裏金を使ったのも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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