出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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褐色土
かっしょくど
brown soil
乾燥地に共通的におこっている石灰集積作用により、薄い腐植層の直下に炭酸石灰分が集積し生成した土壌。貧弱なステップ草原にみられ、腐植含有率の違いで褐色土と灰色土(はいいろど)(シエローゼムsierosem)に区別される。栗(くり)色土よりも降水量の少ない地方のもので耕作には適さないが、中央アジアの大規模な灌漑(かんがい)開発地にはこの土壌地域も含まれているとみられる。以上は乾燥型土壌としてのブラウンソイルbrown soilであるが、同じく褐色土といわれるものでブラウンアースbrown earthとよばれる土壌は、温帯湿潤地の褐色森林土のことで、混同されやすいので注意を要する。
[浅海重夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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褐色土
穏やかな湿潤気候の地域で,特に橅(ぶな)林のような落葉樹林に形成されるローム質の構造のよくできた土壌.一般に北半球のポドゾル質(pedozolic)の針葉樹林の南部に位置しており,針葉樹林が移動してくるとポドゾル質となる.土壌断面は適度に発達し粘土鉱物が多く湿度は低い.湿度は普通は3~4%で最上部層で5~7%である.褐色土(brown earth)は代表的な酸性土で炭酸塩は完全に溶脱されている[Robinson : 1936, Gerasimov & Glazovskaya : 1956].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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褐色土【かっしょくど】
温帯の乾燥気候下のヨモギ類を主とした半砂漠に分布する土壌型。褐色半砂漠土とも。腐植の少ない暗褐色の表層と,柱状構造をもつ淡褐色の下層土からなり,全層を通じ炭酸塩含量が高い。断面中部にナトリウムイオンで飽和した粘土の集積層(ソロネッツ層)がある。褐色森林土とは本質的に異なる。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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褐色土
かっしょくど
brown soil
半乾燥気候のもとで,夏に降水量が多い丈の短い草原地域に発達する土壌。表層は褐色から暗褐色で有機物が少く,下層土は灰褐色を呈する。その下に石灰の集積層がある。地味はやせているので放牧地に利用され,農耕には灌漑を必要とする。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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