西の京(読み)ニシノキョウ

デジタル大辞泉 「西の京」の意味・読み・例文・類語

にし‐の‐きょう〔‐キヤウ〕【西の京】

平城京平安京で、朱雀大路すざくおおじ西側地域右京うきょう。さいきょう。

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精選版 日本国語大辞典 「西の京」の意味・読み・例文・類語

にし【西】 の 京(きょう)

  1. 平城京・長岡京・平安京で、中央大通り朱雀大路(すざくおおじ)より西方の地。平安京では、都市としての発展をみないうちに荒廃し、田野となった。西の都。右京西京(さいきょう)
    1. [初出の実例]「ならの京は離れ、此の京は人の家まだ定まらざりける時に、にしの京に女ありけり」(出典:伊勢物語(10C前)二)

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改訂新版 世界大百科事典 「西の京」の意味・わかりやすい解説

西ノ京 (にしのきょう)

奈良県奈良市西部,往古の平城京右京,すなわち平城京を東西に二分する朱雀大路の西側の地域一帯をいう。秋篠川に沿い,薬師寺唐招提寺喜光寺西大寺などがある。西方の西ノ京丘陵は,京都盆地西部から奈良盆地西部に南北につらなる丘陵で,五条山では江戸時代以来の赤膚(あかはだ)焼の陶器製作が行われている。西ノ京付近は古くより土器や瓦の生産地であり,興福寺大乗院に属した火鉢造座などがあり,近世,奈良風炉(ふろ)の産地として知られた。古都面影を残すこの地域には,近鉄西大寺駅,西ノ京駅を中心に多くの観光客が訪れる。また近鉄奈良線によって大阪市への交通至便の地であり,住宅地区として発展,東部の奈良旧市街地とは好対照をなす。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西の京」の意味・わかりやすい解説

西の京(奈良県)
にしのきょう

奈良市西郊の地で、平城京の右京を西京と称したことに由来するという。秋篠(あきしの)川西岸一帯をさし、西は西ノ京丘陵に続く。薬師寺、唐招提(とうしょうだい)寺、垂仁(すいにん)天皇陵、喜光(きこう)寺、菅原(すがわら)神社、西大(さいだい)寺などがあり、丘陵には赤膚(あかはだ)焼の窯(かま)がある。近畿日本鉄道橿原(かしはら)線が秋篠川に沿って南に走り、大和(やまと)西大寺、尼ヶ辻(あまがつじ)、西ノ京の各駅がある。付近は古都の雰囲気をよく残し、観光の一中心となっているが、近年、住宅開発が進んでいる。

[菊地一郎]

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百科事典マイペディア 「西の京」の意味・わかりやすい解説

西ノ京【にしのきょう】

奈良市の西部,かつての平城京の右京にあたる地。近鉄橿原(かしはら)線が通じ,西ノ京駅付近に薬師寺唐招提寺がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西の京」の意味・わかりやすい解説

西ノ京
にしノきょう

奈良市西部の地区。平城京右京の地で,秋篠川西岸に広がる標高 100m前後の洪積層の西ノ京丘陵地域をさす。狭義には薬師寺のある奈良市西ノ京町をいう。古都の面影をよくとどめ情趣に富むが,近年は住宅地化が著しい。丘陵の南端に郡山城跡がある。

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