西之島(読み)ニシノシマ

デジタル大辞泉 「西之島」の意味・読み・例文・類語

にし‐の‐しま【西之島】

東京都小笠原諸島にある無人島父島の西約130キロメートルに位置する。平成23年(2011)「小笠原諸島」の名で世界遺産自然遺産)に登録。
[補説]付近海底ではたびたび噴火が起こっている。昭和48年(1973)の噴火では東側に新島ができ、翌年に旧島部と合体。平成25年(2013)の噴火で南東側にできた新島も、1か月ほどで合体した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「西之島」の意味・わかりやすい解説

西之島 (にしのしま)

東京より南へ約930km,父島より西へ130kmの北緯27°14.6′,東経140°52.6′の位置にある無人島。東京都小笠原支庁管内にある。1702年,スペインの帆船〈ロザリオRosario〉が発見,ロザリオ島と命名された。この名は1904年まで使われ,その後西之島と呼ばれるようになった。長さ約700m,幅約300m,標高約25mの島で,付近の海底地形から直径約1kmの海中火口の西側の火口縁にあたるものと考えられていた。1973年4月ころよりこの島の東方600mの位置で海底噴火が始まり,それがしだいに活発化して同年9月にはついに海面上に新火山島出現した。新島はその後も噴火位置を移動させながらその面積を広げ,同年12月21日には海上保安庁から西之島新島と命名された。翌74年になっても火山活動は少しも衰えず,溶岩と火山岩片を噴出し,同年6月までに五つの火口をもち,面積23万8000m2,標高53.8mの島に発達し,その南端で旧島と接続して噴火活動を中止した。その後新島は南岸から強風波浪による浸食うけ,第1,2,3火口丘が破壊されたが,それらの破片一部北方に移動して,新・旧島との間に生じた湾の入口をふさいで池をつくり,今日にいたっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本歴史地名大系 「西之島」の解説

西之島
にしのしま

ちち島の北西約一三〇キロにある無人島。ロザリオ島ともいい、父島列島に属する。面積は〇・二二平方キロ。海岸はほとんど砂浜で最高地点は標高二五メートルの平坦な島。昭和二八年(一九五三)五月に静岡県所属の漁船が島の東隣に噴上げる白煙を発見、同四八年五月には海上に島影があらわれ、九月に海上自衛隊船が新島を確認、同四九年海上保安庁が西之島新島と命名した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西之島」の意味・わかりやすい解説

西之島
にしのしま

東京都小笠原諸島父島北西方約 130kmの海上にある無人の火山島で,活火山小笠原村に属する。1702年スペイン船が発見し,ロザリオ島と命名した。1904年以降,西之島と呼ばれる。基底の直径約 30kmの海底火山の頂部に位置し,1973年南東約 400mの近海で有史以降初の噴火が起こり新たな島が出現,翌 1974年には西之島と陸続きになった。2013年11月,島の南東約 500mで再び海底火山が爆発し,新しい島の誕生が確認された。同年12月には流出した溶岩により西之島と接合して一体化し,その後,溶岩は島を覆いつくした。面積は 2016年12月の時点で噴火前(0.29km2)の約 9倍に拡大した。2011年小笠原諸島として国際連合教育科学文化機関 UNESCOの世界遺産の自然遺産に登録。面積 2.89km2(2022.4.)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西之島」の意味・わかりやすい解説

西之島
にしのしま

東京都小笠原(おがさわら)支庁管内、火山列島海嶺(かいれい)上の無人の安山岩質活火山島。東京の南930キロメートル、父島の西130キロメートル、北緯27度15分、東経140度53分に位置する。面積約0.29平方キロメートル。標高25メートル(2013)。1973年(昭和48)、付近海底で有史以来初噴火し、西之島新島が誕生した。噴火は翌年終わったが、新島は、本島の面積7万7000平方メートルの約3倍になり、本島に接続した。戦後唯一の日本国土の自然増。海食などで新島部分の変形は激しい。旧名はロザリオ島Rosario Islandで、1702年(元禄15)にこの島を発見したスペインの帆船名にちなみ、20世紀初頭まで使われた。2013年(平成25)11月20日に南南東500メートルの位置で噴火、新島は西之島と一体となり2014年2月段階では面積0.72平方キロメートル、最高部66メートルとなっている。

[諏訪 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「西之島」の解説

西之島

小笠原諸島(東京都)を形成する島の一つ。緯度27度14分、経度140度52分に位置する無人島で、南北約650メートル、幅約200メートルの火山島。1973年、近海の海底火山の噴火により新島ができ、西之島新島と名づけられた。以降、この新島を含め西之島と呼称されている。2013年11月20日、西之島の南東500メートルで再び噴火活動が発生、新島が出現する可能性が高いと見られている。

(2013-11-25)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「西之島」の解説

西之島

東京都小笠原諸島の父島の北西約130kmに位置する火山島。近年では1973年と2013年に噴火活動があり、新たな陸地が形成された。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android