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生没年不詳。7世紀の百済(くだら)(朝鮮)の僧。602年(推古天皇10)10月来日し、このとき、暦本、天文地理書、遁甲(とんこう)(妖術(ようじゅつ))方術書を献じた。624年4月、一僧が斧(おの)で祖父を殴る事件が起こると、天皇はこれをとがめ、諸寺の僧尼を集めて推問し、悪逆の僧および諸僧尼を罰せんとした。その際、観勒は上表して、僧尼はまだ戒法になじまないとして悪逆の僧以外をことごとく許すよう願い、許された。その後、詔(みことのり)によって僧正(そうじょう)、僧都(そうず)を置き、僧尼を検校(けんぎょう)(監督)することとなり、観勒が最初の僧正に就任したと『日本書紀』に伝える。
[二葉憲香 2017年6月20日]
(松木裕美)
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生没年不詳。百済(くだら)の僧。602年(推古10)来朝し,暦本・天文地理書・遁甲(とんこう)方術書を献上。このとき陽胡(やこ)史の祖玉陳(たまふる)に暦法を,大友村主高聡(こうそう)に天文遁甲を,山背臣日立(ひたて)に方術を学ばせた。624年,ある僧が祖父を殴殺したため,天皇は諸寺の僧尼も罰せんとしたが,観勒が上表して悪逆僧以外の赦免を請い許された。これを機に僧尼統制のため僧正(そうじょう)・僧都(そうず)の僧官が設置され,観勒は僧正に任命された。三論宗の学匠で成実宗にも通じた。
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…したがって日本に最初にもたらされた暦法は元嘉暦と考えるのが妥当であろう。やがて602年,推古天皇10年には百済から観勒(かんろく)という僧が暦や天文地理の本などを献上し,3,4人の書生がこの観勒について勉強したとある。このとき玉陳(たまふる)という人物が暦法を修めたと記されているが,政府が暦法を採用したという記事はない。…
…《宿曜経》は中国の二十八宿,黄道十二宮,インド起源の二十七宿を用いて,七曜(日・月・五惑星)暦を作成し,日の吉凶を占うほか,誕生の年月日によって本命宮,本命宿を決めてホロスコープを作る方法を述べたものであった。日本へは推古天皇のときに百済の僧観勒(かんろく)によって占星術が伝えられ,後には仏教とともに《宿曜経》による個人のための占星術も伝来した。【橋本 敬造】。…
…また9,10世紀の敦煌文書中にも,都僧統司の下級僧官として多くあらわれる。日本では,624年(推古32)に僧綱が設けられ,観勒を僧正に任じたのに始まり,明治初年の僧官廃止までおおむね設置された。【竺沙 雅章】。…
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