能のかぶり物。僧形の役がかぶる頭巾の一種。〈すみぼうし〉ともいう。紺,茶などの無地の緞子(どんす)で作り,頭部が三角にとがっていて後ろに長く垂れさがり,平紐で後頭部を結ぶ。多くワキ・ワキヅレの僧の役に用いるが,シテでは《熊坂》の前ジテ,《俊寛》《景清》などに用いる。また角帽子の後ろを短く折り込んで着用することを〈沙門(しやもん)に着る〉または〈沙門帽子〉といい多く金襴で作る。流儀や演出により高僧の役に用いる。
執筆者:羽田 昶
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…多くワキ・ワキヅレの僧の役に用いるが,シテでは《熊坂》の前ジテ,《俊寛》《景清》などに用いる。また角帽子の後ろを短く折り込んで着用することを〈沙門(しやもん)に着る〉または〈沙門帽子〉といい多く金襴で作る。流儀や演出により高僧の役に用いる。…
… 一方,布で頭を包む古くからの習風は,江戸時代に入ると,女子の被り物としての各種の帽子を生み出した。その代表的なものとしては,揚帽子,角帽子,野郎帽子,綿帽子がある。揚帽子は表は白,裏は紅絹の袷仕立てで,俗に白鷺と呼ばれた。…
※「角帽子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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