許可営業(読み)キョカエイギョウ

デジタル大辞泉 「許可営業」の意味・読み・例文・類語

きょか‐えいぎょう〔‐エイゲフ〕【許可営業】

行政庁許可を得て適法に行うことができる営業質屋古物商風俗営業旅館営業など。

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精選版 日本国語大辞典 「許可営業」の意味・読み・例文・類語

きょか‐えいぎょう‥エイゲフ【許可営業】

  1. 〘 名詞 〙 行政官庁の許可を必要とする営業。質屋、古物商、火薬業、風俗営業など。

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改訂新版 世界大百科事典 「許可営業」の意味・わかりやすい解説

許可営業 (きょかえいぎょう)

一定種類の営業につき,行政庁の許可を受けた者でなければその営業を行ってはならないというしくみが法令で定められている場合に,これを〈営業許可制〉と呼び,その場合の許可を〈営業許可〉(または〈営業免許〉)と呼ぶ。営業許可制の対象とされる種類の営業を,〈許可営業〉という。

 日本を含めて,営業の自由を原則的に保障するという建前をとる国々においても,実際には,さまざまな種類の営業について営業許可制がとられている。たとえば,各種風俗営業,古物営業,飲食店営業等に関する許可制(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律3条,古物営業法2条,3条,食品衛生法21条等)は,風俗秩序の維持,防犯公衆衛生確保などを目的とするものである。これらは一般的にいえば,社会公共の安全と秩序に対して有害な結果を及ぼすおそれのある営業活動を取り締まる,いわゆる〈営業警察〉上の規制の一種である。営業許可制には,そのほか,酒類の製造販売に関する免許制(酒税法7~9条)のように国家の財政収入の確保を目的とするものや,職業紹介事業の許可制(職業安定法32条,33条)のように社会的弱者の保護を目的とするものもある。いずれにせよ,営業許可制は,自由な営業活動から生じうるなんらかの不都合を抑制するという意味で,概して消極的な規制としての性格を有する。これに対し,電気事業の許可(電気事業法3条)や鉄道業の免許(鉄道事業法3条)のように,とくに公共性の強い事業について,行政庁の積極的な監督のもとに適正な経営を行わせることを目的とする制度もあるが,それらは行政法学上,ここにいう営業許可と区別して〈公企業特許〉と呼ばれることが多い。なお最近の立法では,営業に関する〈登録〉の制度を採用する例が増えている。〈貸金業の規制等に関する法律〉に基づく貸金業者の登録はその一例である。登録制は,営業許可制に類似するものであるが,営業の自由に対する制約の度合いを弱めようとする趣旨が含まれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「許可営業」の意味・わかりやすい解説

許可営業
きょかえいぎょう

営業するために行政庁の許可を要する業種をいう。営業の自由は憲法第22条で保障されているが、公共の福祉に反してはならないという制約がある。営業が公共の福祉に反しないよう行政的にチェックし監督する方法としては、事前に届出をさせ、違法行為があれば事後的に禁止命令を出す方法と、あらかじめ違法がないか審査して、基準に合格したものにのみ営業を許す方法とに大別される。後者の方法の対象となっているのが許可営業である。飲食店、旅館、質屋、風俗営業、古物商、酒屋、バス・タクシーの営業など、その例である。

[阿部泰隆]

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