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公企業 こうきぎょう public enterprise

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公企業
こうきぎょう
public enterprise

国または地方公共団体みずから全額出資して直接に経営する収益的事業をいい,財務機構および労務機構に企業的柔軟性を取入れた経営形態がとられている。国においてはそれぞれ単独法に基づいて設立された3公社 (国鉄,電電公社専売公社) があったが,電電公社,専売公社は 1985年4月,国鉄は 87年4月に民営化された。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐きぎょう〔‐キゲフ〕【公企業】

国・地方公共団体などが経営する企業。鉄道・電気・水道・ガスなど公共的性格が強い事業のほか、資源開発・住宅など経済・社会政策と関連する事業が含まれる。⇔私企業

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百科事典マイペディアの解説

公企業【こうきぎょう】

国または公共団体が,社会公共の利益を目的として自ら経営する事業およびその事業体。ガス,水道,鉄道など。法律上では私企業と異なる組織(人的要素は公務員,物的要素は公物)と会計経理(予算上の制約など)を有し,また経営上・刑罰上等の特別保護を受け,その利用関係についての法律的強制がある。
→関連項目公益事業特許

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世界大百科事典 第2版の解説

こうきぎょう【公企業】

電気,ガス,水道,交通,通信等の事業は,われわれが生活を営んでいくうえで非常に重要な財・サービスを提供するものである。また,われわれの生活水準の向上あるいは生活様式の変化等によって,これら事業への依存度は高まっており,その重要度は大きなものがある。それにもかかわらず,全面的に民間に任せておいたのでは,十分な提供を受けることは望めない。こうした性質を有するこれら事業の考察のために用いられる概念が公企業である。

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大辞林 第三版の解説

こうきぎょう【公企業】

国や地方公共団体などが経営する公共のための企業。鉄道・郵便・水道など。 ↔ 私企業

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公企業
こうきぎょう
public enterprise

国または地方公共団体が所有(出資)する企業。民間人が所有する私企業と対照される。両者の中間的存在として公私合同(混合)企業があるが、公企業を広義に理解して、公私合同企業をも含めることがある。資本主義経済では、私企業が原則であるが、それにもかかわらず公企業が存在する理由としては、(1)公共的性格が強く営利的私企業になじまない事業(水道、郵便、交通等)を公企業として経営する、(2)国または地方公共団体の財政収入を図るため、特定の事業(たばこ、アルコール等)を独占して公企業とする(専売)、(3)経済・社会政策を遂行するに必要な事業(道路の建設・運営、住宅供給、中小企業金融等)を公企業として経営する、の三つがあげられてきた。しかし、これらの理由はいずれも絶対的な要請ではなく、政治経済的状況や時代の推移等により、かなり弾力的に解釈・運用される。そのために、公企業の具体的形態は多様かつ変化に富むものになる。そこでそれらを雑然と羅列するのではなく、体系的に整理したり変化の論理を解明したりすることが重要になる。[森本三男]

公企業形態の多様性

公企業形態の原型は、行政組織によって事業(広義の生産活動)を営むものである。これは一般に現業とか官業とよばれてきた。第二次世界大戦前の鉄道省の国有鉄道事業、逓信省(ていしんしょう)の郵便・電信電話事業、大蔵省の専売・印刷・造幣事業等は、この典型であった。以下、日本の公企業形態の変遷を、(1)第二次世界大戦期、(2)経済復興・成長期、(3)バブル以降期、に三分してみる。
 第二次世界大戦期の主要公企業形態は、現業のほか、公社、営団、金庫、統制会があった。これらのうち公社は満州国における萌芽(ほうが)的形態であり、統制会は統制経済遂行のための業界組織であるため、ともに敗戦によって消滅した。住宅営団、帝都高速度交通営団(東京の営団地下鉄)、農地開発営団、食糧営団等の営団は、国策事業遂行のための特別法による特殊法人であり、商工組合中央金庫、産業組合中央金庫、庶民金庫等の金庫は、国策金融事業遂行のための特別法による特殊法人であった。
 経済復興・成長期に、日本の公企業は大きく変貌(へんぼう)しかつ発展する。現業の国有鉄道(運輸省)・電信電話(電気通信省)・専売(大蔵省専売局)は、それぞれ独立公企業の公社(公共企業体)となり、郵便(郵政省)・印刷(大蔵省印刷局)・造幣(同造幣局)・国有林野(林野庁)・アルコール専売(通商産業省)の五現業とともに、三公社五現業と一括されて代表的公企業形態となった。公社は、株式によらない公共所有の法人形態による公共的事業の遂行組織である。営団地下鉄を除く営団はすべて改廃され、新たに多くの公団と事業団が新設された。公団は社会資本の充実のための公共所有の法人形態(日本道路公団、日本住宅公団等)であり、その事業が特殊で限定的なものが事業団とされた(宇宙開発事業団等)。政策金融のための金庫は形態としては存続したが(商工組合中央金庫等)、事業が特殊で限定的な金融のために公庫の形態が新設された(国民生活金融公庫等)。また地方公共団体による現業(水道、交通等)を独立採算制度とする地方公営企業が新設された。
 バブル以降期になると、世界的な民営化傾向に対応する動きが具体化する。三公社のうち日本国有鉄道は、JR旅客鉄道6社とJR貨物に分割されて政府株式会社になり、さらにJR東日本・東海・西日本の3旅客鉄道会社の株式は民間に売却されて完全に民営化された。同様にして日本電信電話公社と日本専売公社も民営化され、日本電信電話株式会社(NTT)と日本たばこ産業株式会社(JT)になった。
 唯一の営団として残っていた営団地下鉄は、政府と東京都の出資する東京地下鉄株式会社(東京メトロ)になった。現業、公団、事業団、公庫についても改革が進み、そのほとんどは「独立行政法人○○機構」となった。
 独立行政法人とは、現業の行政組織からの徹底した分離と公団等のいっそうの効率化を目ざす新種の法人である。これにより、国立の病院、大学、博物館等も独立公企業となった。[森本三男]

公企業の変容・発展の原理

公企業の変容の底流には、公企業が社会経済的に適合するために必要な一貫した論理がある。これは公企業発展の原理といえるものである。その核心は、公企業の原型である純行政経営(現業、官業)につきまとう、事業の経営になじまない欠陥の克服と、事業のもつ公共的性格をいかに両立させるかにある。純行政経営につきまとう非事業的欠陥とは、非効率・非能率・経済性意識の欠落であり、その根源は行政・財政・政治の制約である。そこで、企業統治の面で公共的性格の確保に留意しつつ、行政・財政・政治の制約を除去し、換言すれば経営の自主性を高める方向に改革が進められることになる。
 まず財政の制約は、事業の継続を拘束する単年度主義とコスト意識のない官庁会計方式に端的に現れる。そこで、特別会計の採用、企業会計方式による独立採算が図られる。それは、会計・財務・計算面の自主化にほかならない。特別会計による現業や地方公営企業は、この所産の典型である。この段階の公企業を、非従属的公企業と称する。
 行政の制約は、官僚制的組織と人事に端的に現れる。そこで、行政組織から独立した法人格をもつ組織と公務員とは別の人事システムを採用することにより、非従属的企業の改革が行われる。これを独立公企業と称するが、それは特別立法によるものと、一般法による株式会社(政府会社)に大別される。前者は、主要公企業の大半で主流を占める。公社、公団、事業団、独立行政法人等が、その具体的形態である。
 独立公企業にあっても、その企業統治、とくに経営者人事や経営戦略については、なお政治による公的支配がかなり強く残されている。その根拠は、事業の公共的性格にある。この公的支配を形式化・名目化して経営の自主性を実質的に高めれば、自主的公企業になる。日本の実例では、この段階のものは過去・現在ともほとんど存在しない。
 独立公企業の改革のもう一つの道は、民営化(民有化、私有化)して私企業、とくに株式会社とし、公共性の確保は一般私企業の監視・監督の制度と方法にゆだねることである。
 行政組織は、本来、事業のためのものではない。所有(出資)と経営の分離によって私企業の自主化が行われ、それによって企業の高度化が推進されたように、公企業の進歩は、財政と経営の分離、行政と経営の分離、政治と経営の分離を基本原理としている。このような分離によって経営上の自主性を獲得した公企業は、形式的な所有については依然として公企業であるが、経営の実態については、高度に発展したために社会的責任を負わねばならなくなった私企業と、実質上の差異がなくなっていく。これを公私企業接近の原理という。この原理を重視すれば、民営化によっても効率性とともに公共性が確保できることになる。[森本三男]
『森恒夫著『現代日本型公企業の軌跡 公益と私益の対立と融合』(1992・ミネルヴァ書房) ▽赤沢昭三著『経済政策と公企業』(1992・税務経理協会) ▽山本政一著『公企業要論』(1995・千倉書房) ▽増地昭男・佐々木弘編『最新・現代企業論』(2001・八千代出版) ▽村上了太著『日本公企業史』(2001・ミネルヴァ書房) ▽小松章著『新経営学ライブラリ5 企業形態論』第3版(2006・新世社、サイエンス社発売) ▽魚住弘久著『公企業の成立と展開――戦時期・戦後復興期の営団・公団・公社』(2009・岩波書店)』

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世界大百科事典内の公企業の言及

【イギリス】より

…その中には終戦直後の大規模な住宅建設,家族手当,統一的な国民保健サービス,国民保険,国民扶助,児童保護などの諸制度の確立が含まれていた。もう一つは重要産業を国有化して公企業(パブリック・コーポレーション)とし,これを計画的な経済成長の手段として活用したことである。アトリー労働党内閣の下で国有化された事業はイングランド銀行,BOACとBEAの二つの航空会社,鉄道,電力,ガスおよび鉄鋼などで,以後のイギリスにおける公企業の主要な部分を占めていた。…

【企業】より

…したがって,生業は企業以前のものであり,国民経済の一部を構成しているが,現代では,企業が国民経済を発展させる原動力となっている。
[企業形態]
 企業は,その資本を提供する出資者(所有者)とその目的によって,私企業と公企業と協同組合に分けられる。(1)私企業 図2のように私企業は三つの形態に大別できる。…

【財政】より

…国民所得統計上はこれを〈一般政府〉という。政府はまたみずから生産活動を行うが,これらは〈公企業〉とよばれる。政府関係機関と称される日本専売公社,日本国有鉄道等である(先に触れた政府の公共事業は,それ全体が国民所得に含まれる。…

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