誠照寺(読み)ジョウショウジ

デジタル大辞泉 「誠照寺」の意味・読み・例文・類語

じょうしょう‐じ〔ジヤウセウ‐〕【誠照寺】

福井県鯖江さばえ市本町にある真宗誠照寺派本山越前四本山の一。山号は上野山。親鸞しんらん越後への配流途中、初めて越前で説法をした所と伝え、ここに如覚が弘安2年(1279)堂宇建立真照寺と称した。のち、後花園天皇勅願所となり誠照寺と改めた。鯖江御堂

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精選版 日本国語大辞典 「誠照寺」の意味・読み・例文・類語

じょうしょう‐じジャウセウ‥【誠照寺】

  1. 福井県鯖江市下本町にある真宗誠照寺派の本山。越前真宗四ケ本山の一つ。山号は上野山。承元元年(一二〇七親鸞越後国に流される途中、布教のために立ち寄った草庵に始まると伝えられる。弘安二年(一二七九)如覚が堂宇を建立、真照寺と称した。永享九年(一四三七)後花園天皇の勅により現寺号に改め勅願所となる。鯖江御堂。

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日本歴史地名大系 「誠照寺」の解説

誠照寺
じようしようじ

[現在地名]鯖江市本町三丁目

旧北陸街道沿いにあり、所在地は近世のてら町西側にあたる。上野山と号し、真宗誠照寺派本山。宗教法人上は本山誠照寺。本尊阿弥陀如来。越前真宗四ヵ本山の一つ。大町如導の高弟横越証誠よこごししようじよう(現鯖江市)開祖の道性の次男如覚が当寺の開祖とされる。中野専照なかのせんしよう(現福井市)・証誠寺とともに三門徒教団とよばれ、秘事法門が導入されて、本願寺教団とは宗祖親鸞を同じくしながらも激しく対立し、朝倉氏とともに本願寺教団の一向一揆と対戦した。永享七年(一四三五)七月二九日の修理大夫執達状(当寺文書)の名宛には「真照寺」となっているが、同九年の勅願所の綸旨(同文書)では誠照寺とみえ、文正元年(一四六六)四足門勅許を得た。

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改訂新版 世界大百科事典 「誠照寺」の意味・わかりやすい解説

誠照寺 (じょうしょうじ)

福井県鯖江市にある真宗誠照寺派の本山。山号は上野山。いわゆる越前三門徒の一つで,越前真宗四本山の一つ。大町の如道の弟子道性(証誠寺開祖)の子といわれる鯖江の如覚が開祖。寺伝では,親鸞が留錫した車道場で帰依した上野庄の領主波多野景行が空然と号して開祖し,親鸞の子道性(益方入道),その子如覚と相承され,1305年(嘉元3)後二条天皇から〈真照寺〉と寺号を下賜されたという。1433年(永享5)の町屋敷寄進状,35年の野畠寄進状(同寺蔵)には真照寺の名でみえ,39年の寺屋敷並寺領施行状に誠照寺とあるから,このころ改号したと思われる。このほか,朝倉孝景壁書,織田信長朱印状などを蔵しており,1583年(天正11)の羽柴秀吉と柴田勝家の戦いに兵火を受けたが,秀吉の保護を受けて復興した。歴代清華家と猶子関係をもち僧正任官寺であり,1693年(元禄6)天台宗輪王寺に属して院家となる。1878年独立して誠照寺派本山となった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「誠照寺」の意味・わかりやすい解説

誠照寺
じょうしょうじ

福井県鯖江(さばえ)市本町にある真宗誠照寺派本山。山号は上野山(うわのざん)。俗に鯖江御堂(みどう)という。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。寺伝によると、親鸞(しんらん)が北陸流罪(るざい)の途中この地に錫留(しゃくりゅう)。のち親鸞の第5子道性(どうしょう)が当地に住し、1279年(弘安2)その長子如覚(にょかく)とともに堂舎を現在地に建て真照寺(しんしょうじ)と称した。その後、1437年(永享9)誠照寺と改称し、後花園(ごはなぞの)天皇の勅願寺となる。一説には秘事法門を唱えた如道の弟子道性の子如覚の建立ともいう。第10世秀意のとき柴田勝家(しばたかついえ)にくみしたため、1583年(天正11)豊臣(とよとみ)秀吉の兵火により堂宇を焼失。第15世秀誠(しゅうじょう)に至り復興したが、1862年(文久2)火災を受けた。江戸時代には日光輪王寺(りんのうじ)の下で天台宗に属し、1878年(明治11)独立した。

[清水 乞]

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百科事典マイペディア 「誠照寺」の意味・わかりやすい解説

誠照寺【じょうしょうじ】

福井県鯖江市にある真宗誠照寺派の本山。越前真宗四本山の一つ。鯖江御堂とも。親鸞巡錫(じゅんしゃく)のあとに五男の道性(どうしょう)が住し,如覚のとき真照寺と称した。代々,波多野・足利氏の保護を受け,1437年後花園天皇の勅願所として誠照寺と改めたという。豊臣秀吉の兵火にかかったが,のち復興。1878年真宗の一派として独立。
→関連項目鯖江[市]

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