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調和積分 ちょうわせきぶん harmonic integral

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうわせきぶん【調和積分 harmonic integral】

2変数の調和関数f(x,y)の示す行動は一見明らかだが,その実不可解な行動の一つに,全平面で調和な関数は定数しかないという性質がある。これが実はどのような原因によっているのかを幾何学的な立場からまず明らかにしようとするものが調和積分論の起りであった。いちおうその理論が完成された現在では,さらにそれを幾何学的な性質と代数幾何学,微分幾何学的性質との間の懸橋として利用し,一方から他方を見渡すというタイプの数学の研究が行われている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

調和積分
ちょうわせきぶん

関数論における微分とその積分関数の理論とを一つのモデルとしておこった微分多様体上の調和形式の理論をいう。x、yの関数に働く作用素
  Δ=∂2/∂x2+∂2/∂y2
をラプラシアンといい、Δf=0を満たす関数fを調和関数とよぶ。この作用素は一般化され、リーマン計量をもつn次元微分多様体(リーマン多様体)でもラプラシアンΔが定義できる。この場合、Δは関数のみならずp(0≦p≦n)次微分形式にも作用し、微分形式uはΔu=0を満たすとき調和形式とよばれる。調和形式の重要性は、この形式の考案者であるイギリスのホッジSir William Vallance Douglas Hodge(1903―75)による次の定理にある。「完閉、可符号n次元リーマン多様体について、線形独立なp次調和形式の最大数はこの多様体のp次元ベッチ数に等しい。」この定理は、多様体の微分構造に関係する性質である調和形式と、多様体の位相構造だけで決まる量であるベッチ数とを結び付けた、という意味でとくに重要である。多様体の微分構造と位相構造との関係を調べる研究は微分トポロジーとよばれ、現在活発に研究が進められているが、調和積分論はその一つの端緒を開いたということができる。[立花俊一]

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