デジタル大辞泉 「諾」の意味・読み・例文・類語 だく【諾】[漢字項目] [常用漢字] [音]ダク(漢) [訓]うべなう1 よろしいと承知する。うべなう。「諾意・諾否/一諾・応諾・快諾・許諾・受諾・承諾・然諾・内諾」2 承知する返事。はい。「唯唯諾諾いいだくだく」[名のり]つく[難読]諾威ノルウェー う【▽諾】 [感]承諾の気持ちを表す語。うん。「我も否いなとも―とも云う暇いとまなく」〈鴎外訳・即興詩人〉 せ【▽諾】 [感]承諾の意を表す応答の語。はい。うん。「否いな―とも言ひ放たれず憂きものは身を心ともせぬ世なりけり」〈後撰・恋五〉 お〔を〕【▽諾】 [感]承諾・応答の意を表す語。はい。「こなたにと召せば、―と、いとけざやかに聞こえて」〈源・行幸〉 だく【諾】 承知すること。引き受けること。また、その語。「諾の返事を得る」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「諾」の意味・読み・例文・類語 おを【諾】 〘 感動詞 〙 人に答えて承諾の意を表わす語。→諾(う)。[初出の実例]「否も諾(を)も欲しきまにまに赦(ゆる)すべき貌(かたち)は見ゆやわれも依りなむ」(出典:万葉集(8C後)一六・三七九六)「こなたに、と召せば、を、といとけざやかに聞えて出で来たり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸) だく【諾】 〘 名詞 〙 応答すること。また、承知すること。他人の依頼をうけること。うけあうこと。うべなうこと。また、承諾の言葉。〔色葉字類抄(1177‐81)〕[初出の実例]「西園寺大納言相続事につきて文出さるる。諾おほせられにくき事なから也」(出典:御湯殿上日記‐大永八年(1528)八月七日)[その他の文献]〔論語‐陽貨〕 う【諾】 〘 感動詞 〙 承諾の意を表わすことば。→お(諾)。[初出の実例]「けふの内に否ともうともいひはてよ人頼めなる事なせられそ」(出典:信明集(970頃)) せ【諾】 〘 感動詞 〙 承諾の意を表わす応答の語。うん。[初出の実例]「鹿父が曰はく、諾(セ)(〈別訓〉ムメナリ)」(出典:日本書紀(720)仁賢六年九月(寛文版訓)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「諾」の読み・字形・画数・意味 諾常用漢字 15画(旧字)16画 [字音] ダク[字訓] こたえる・うけがう・ゆるす[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 形声声符は(若)(じゃく)。は諾の初文で、のち諾の声義が分岐した。〔説文〕三上に「(こた)ふるなり」とあり、次条に「(おう)は言を以て對(こた)ふるなり」とみえる。は應(応)と同源の字で、心部の應はと同じく(よう)に従う。はの初文。鷹の初文もに従い、は鷹を抱く形。鷹狩りは古く「誓(うけ)ひ狩り」として行われたもので、これによって神意の反応を確かめるものであった。に従う字は、みなその儀礼に関する字である。は若い巫女が両手をかざし、歌舞してエクスタシーの状態に入り、神意を承ける意。神の応諾するところを諾という。甲骨文にを諾の意に用いる。応諾はいずれも神意を問い、確かめる行為をいう。〔礼記、玉藻〕に「命じて呼ぶときは、唯(ゐ)してせず」とあり、唯という返事は速やかにして恭、諾は緩やかにして慢。すべて逆らわずに意のままに従うことを「唯々諾々」という。[訓義]1. こたえる。2. うけがう、ゆるす。神がうけがい、ゆるす。3. よろしい、はい。4. わかる、諒解する、承知する、したがう。5. さとる、自ら知る。6. 承認のかきはん。[古辞書の訓]〔名義抄〕 ムベナフ・シタガフ・コタフ 〔立〕 ウケカヘニス・シタガフ・ムカフ・ウベナフ・ウタフ・コタフ[語系]nak、njiakはもと同じ語。が多義化し、本来の神の応諾の意を示すためにが作られた。[熟語]諾已▶・諾唯▶・諾諾▶・諾否▶[下接語]一諾・応諾・快諾・許諾・謹諾・敬諾・受諾・宿諾・承諾・然諾・内諾・服諾・黙諾 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by