イギリス議会の上院(貴族院)の権限を抑制するため、1911年に制定された法律。議会法ともいわれる。保守党優位の上院が自由党政府の改革立法にしばしば抵抗し、1909年には「人民予算案」を否決したことから、自由党は、国民を代表する下院(庶民院)の意思を立法に確実に反映させるためこの法案を提出。上院は強く抵抗したが、貴族を新たにつくる大権をもつ国王ジョージ5世が法案を支持したため上院側が屈伏し、1911年8月に法案は成立した。これによって上院は、下院を通過した財政法案を否決することができなくなり、ほかのパブリック・ビル(公法案)についても成立を2年(1949年以降は1年)引き延ばすことができるだけとなった。これに伴い、下院議員の任期も7年から5年に短縮された。
[青木 康]
帝国議会の両院(衆議院・貴族院)の組織と運営について定めた法律。1889年(明治22)2月11日の大日本帝国憲法の発布とともに,その付属法として公布。18章99条。議会の召集・成立・開会,衆議院議長・副議長の選任,議員の歳費,委員会制度,停会・閉会,秘密会,予算案の議定,国務大臣・政府委員,質問,上奏・建議,両院協議会,請願,懲罰などについて規定。1947年(昭和22)5月3日廃止。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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