赤道反流(読み)セキドウハンリュウ(その他表記)Equatorial Counter Current

デジタル大辞泉 「赤道反流」の意味・読み・例文・類語

せきどう‐はんりゅう〔セキダウハンリウ〕【赤道反流】

南北赤道海流の間を、それらと逆方向の西から東に流れる海流赤道逆流

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精選版 日本国語大辞典 「赤道反流」の意味・読み・例文・類語

せきどう‐はんりゅうセキダウハンリウ【赤道反流】

  1. 〘 名詞 〙 赤道に沿って、南・北赤道海流の間をこれらと逆方向に流れる海流。赤道海流によって大洋西側に生じた海水堆積(たいせき)から流れ出すと考えられ、北緯三~一〇度付近を東流する。赤道逆流。
    1. [初出の実例]「藤枝の詩は赤道反流が黒汐となって日本へ流れてくることを歌ったものだ」(出典:原子と椎茸と(1954)〈吉村昌光〉二二)

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改訂新版 世界大百科事典 「赤道反流」の意味・わかりやすい解説

赤道反流 (せきどうはんりゅう)
Equatorial Counter Current

太平洋大西洋インド洋表層ほぼ北緯3°から10°の間を西から東に向かって流れる海流。南赤道海流によって東から西に運ばれた水が赤道反流となって戻っていくと考えられる。流速は1~3ノット程度で表層から100~200mの深さまで達している。太平洋の赤道反流は大西洋に比べて流れが強い。インド洋では夏には消失する。これは南西モンスーンの影響であると思われる。南半球においても赤道反流が存在するという報告もあるが,詳細は不明。
海流
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百科事典マイペディア 「赤道反流」の意味・わかりやすい解説

赤道反流【せきどうはんりゅう】

北緯3°〜10°の間,赤道無風帯下の海域を西から東に,つまり南・北赤道海流とは逆向きに流れる海流。流速1〜3ノット,厚さ100〜200m程度。太平洋で最も著しく,大西洋では東半部に発達し,インド洋では夏の間は季節風の影響で消滅する。
→関連項目赤道潜流

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤道反流」の意味・わかりやすい解説

赤道反流
せきどうはんりゅう
Equatorial Countercurrent

赤道のやや北 (北緯3°~10°間) を,南赤道海流と北赤道海流の間で東へ流れる海流。赤道海域では貿易風によって大洋の西側の海面が高くなり,太平洋では 63cm,大西洋で 14cmの差ができる。この水面勾配が赤道無風帯に赤道反流を生じる原動力といわれる。赤道反流は赤道の南側にもあるという見解がある。 (→大西洋赤道反流 , 太平洋赤道反流 )  

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世界大百科事典(旧版)内の赤道反流の言及

【海流】より

…この東流はインド南西季節風(モンスーン)が原因で生じるものと考えられ,南西季節風(モンスーン)海流とも呼ばれる。さらにインド洋の赤道反流は冬季にしか観測されず,夏季には南西季節風海流の発達と前後して消えてしまう。ただし太平洋と大西洋における赤道反流はむしろ夏季の方がその勢いが強い。…

※「赤道反流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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