藤枝(読み)ふじえだ

精選版 日本国語大辞典 「藤枝」の意味・読み・例文・類語

ふじえだ ふぢえだ【藤枝】

静岡県中南部の地名。瀬戸川上流の山地から大井川左岸にひろがる。東海道五十三次宿場町本多氏四万石の城下町として発展。みかん・茶・椎茸いちごなどの集散・加工地。昭和二九年(一九五四市制

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デジタル大辞泉 「藤枝」の意味・読み・例文・類語

ふじえだ〔ふぢえだ〕【藤枝】

静岡県中南部の市。江戸時代東海道宿場町、本多氏の城下町。茶・ミカンシイタケ栽培や木工業・化学工業が盛ん。平成21年(2009)に岡部町を編入。人口14.2万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「藤枝」の意味・わかりやすい解説

藤枝[市] (ふじえだ)

静岡県中部にある市。2009年1月旧藤枝市が岡部(おかべ)町を編入して成立した。人口14万2151(2010)。

藤枝市北東部の旧町。旧志太郡所属。人口1万2696(2005)。鎌倉時代から東海道の宿駅として栄え,東の静岡市との境に難所で知られる宇津ノ谷峠があり,付近に在原業平の《伊勢物語》に記された蔦の細道がある。東海道本線から離れているが,静岡市,旧藤枝市など周辺都市のベッドタウンとして人口は増加傾向にある。平地は少ないが,傾斜地では古くから茶やミカンの栽培が盛んであり,キーウィフルーツイチジクなども栽培されている。中央部を南流する朝比奈川沿いに水田が開かれ,上流域はたけのこ,シイタケの産地となっている。国道1号線沿いに家具製造などの工場も進出している。かつての宿場のおもかげを残す本陣跡や松並木など,史跡や文化財が多い。
執筆者:

駿河国の宿駅。また平安時代にこの地に土着し,今川氏,武田氏,ついで徳川氏に仕え,後に和泉国岸和田藩主となった岡部氏の出身地でもある。東海道の宿駅としては,すでに鎌倉時代に《吾妻鏡》や紀行文にその名前がみえる。近世の宿駅としては,1602年(慶長7)の〈伝馬定書〉によって指定された。東海道五十三次のうち,品川宿から数えて21番目にあたる。東は宇津ノ谷峠を越えて丸子宿まで2里,西は1里26町で藤枝宿に至る。《宿村大概帳》によると,天保期(1830-44)の宿高458石5斗2升,宿内の町並みは南北13町50間余,人口2322人,家数は加宿共487軒(うち本陣2,脇本陣2,旅籠屋27軒)であった。宿役人は問屋2名をはじめ,年寄・帳付・馬指・人足指各数人であり,宿建人馬は100人100疋と定められていた。
執筆者:

藤枝市中西部の旧市。1954年藤枝町,青島町ほか4村が合体して市制。人口12万9248(2005)。市域の北西部は赤石山系の山岳地帯で,南部は瀬戸川,大井川の扇状地からなる志太平野にある。近世には東海道五十三次の宿駅として,また田中城を中心とする城下町として発達したが,1889年東海道本線の開通により青島に藤枝駅が設置されたため,駅前地区が旧宿駅の藤枝とともに中心集落を形成する。農業は山間部が茶,ミカン,シイタケなど,平野部はイチゴ,花などの施設園芸が盛んである。また茶,シイタケの集散地でもあり,市街地にはこれらを扱う問屋が多い。豊富な地下水を背景に医薬品,化学繊維,合成樹脂などの大企業の工場進出が著しいほか,1970年には八幡に家具工業団地が建設された。1984年に志太・瀬古・南新屋地区に住宅都市整備公団が人口8000人の県内一の規模をもつ住宅団地〈ふじえだ駿河台〉を建設,また駅周辺の土地区画整理事業も進行し,住宅都市としての性格を強めている。
執筆者:

古代には志太郡の郡衙(ぐんが)が置かれるなど,古くから東海道の要地として発達した。《海道記》の貞応2年(1223)4月12日の条に〈藤枝の市〉とみえるのをはじめ,室町・戦国期の紀行文などにしばしばあらわれる。戦国期に今川氏の支城が築かれ,武田氏の駿河侵攻後大改修が行われて田中城と改称した。1601年(慶長6)に酒井忠利が入封して近世田中藩となり,その後徳川一門,譜代大名の転封が続いたが,1730年(享保15)本多氏が4万石で入封して幕末に至る。近世宿駅としては,1601年に幕府により設定された。《東海道宿村大概帳》によれば,宿内の町並み東西9町,宿内人口4425人,惣家数1611軒(うち本陣2,旅籠屋37軒)であった。なお,1816年(文化13)閏8月の暴風雨による大被害のため,近隣一帯に年貢減免を要求する百姓一揆が起こり,田中藩領では80余ヵ村の農民が城下に押し寄せ,10分の3の減免が行われた。
執筆者:

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事典・日本の観光資源 「藤枝」の解説

藤枝

(静岡県藤枝市)
東海道五十三次」指定の観光名所。

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