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輸出保険 ゆしゅつほけんexport insurance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

輸出保険
ゆしゅつほけん
export insurance

輸出取引の円滑な推進のため,輸出取引に伴う危険で,普通の保険によっては救済できないもの (相手国の貿易制限,為替制限,戦争,内乱など) による輸出者の損失を,輸出保険法 (昭和 25年法律 67号) に基づいて政府償する国営保険総称。方法として,(1) 政府が直接輸出業者に対して行うもの,(2) 政府が銀行による輸出金融に対して補償するもの,(3) 政府が保険会社の引受けた輸出保険の再保険に応じる形のものの3つがある。

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デジタル大辞泉の解説

ゆしゅつ‐ほけん【輸出保険】

輸出貿易その他の対外取引で、通常の保険では救済することができない危険による損害填補(てんぽ)する保険。仕向国における制度変更や戦争・内乱などによって生じる為替取引・輸入の制限・禁止・途絶などから輸出業者・輸出品生産者・融資銀行などを保護するためのもので、政府が引き受ける。

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百科事典マイペディアの解説

輸出保険【ゆしゅつほけん】

輸出貿易に伴う危険のうち,海上保険火災保険などで救済されないもの(仕向国の貿易制限,戦争など)を担保し,輸出業者や融資銀行の損失を補償する保険。日本では輸出保険法(1950年)に基づき,普通輸出,輸出代金,為替変動,輸出手形,輸出金融,輸出保証,委託販売輸出,海外広告,海外投資の各保険を政府が経営。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆしゅつほけん【輸出保険】

広義には貨物の輸出に係るすべての保険を指すが,通常は私企業である保険会社の担保能力を超える危険を付保する政府の輸出信用補償を指す。このような危険には戦争,革命,動乱,地震,洪水あるいは輸入国のモラトリアム(支払猶予令)や輸出入禁止令など国権の発動によって輸入業者が支払不能になる〈非常危険〉や,輸入業者の破産,債務不履行,支払遅延などの〈信用危険〉あるいは為替相場の変動リスクなどがある。ただし信用保険に関し事故が発生して保険金の支払を受けると,その外国輸入業者向けの輸出に係る付保は停止されるため,輸出取引の継続性の観点から保険金の支払申請は制約を受けることがある。

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大辞林 第三版の解説

ゆしゅつほけん【輸出保険】

輸出取引において生じる通常の保険で救済することができない危険に対し、その損失の塡補を目的として政府が引き受ける保険。輸出業者または融資銀行を保護するためのもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

輸出保険
ゆしゅつほけん

輸出貿易その他の対外取引において生じた危険による損害を填補(てんぽ)する保険。一般の海上保険は航海に関する事故による損害を填補するが、輸出保険は、仕向国における突然の為替(かわせ)取引や輸入の制限・禁止や戦争・内乱などで輸出が不可能になったり、代金回収不能になるなどして輸出業者、輸出品の生産者、融資銀行、海外投資者などが受けた損害を填補するもの。わが国では貿易保険法(1950年に輸出保険法として制定され、87年に現行名に改称)に基づき政府(経済産業省)が貿易保険特別会計を設けて、その引受けにあたっている。貿易保険法に定められている輸出保険は次の7種類である。なお、同法には、これ以外に前払輸入保険の制度も定められている。
(1)普通輸出保険 輸出契約の成立から代金決済完了までの間に、海外で生じた非常危険による輸出不能、輸出代金回収不能による損失を填補するもの。わが国の輸出保険はこの保険から発足し、その後貿易政策の要請や輸出取引の形態の多様化に伴い、新しい保険が追加されて現在のような制度となった。
(2)輸出代金保険 プラント輸出のためのもので、延払い代金が回収不能となった場合に、その損害を填補するもの。
(3)輸出手形保険 荷為替手形が不渡りとなった場合に、手形の買取銀行の受ける損害を填補するもの。
(4)為替変動保険 特定貨物の輸出、技術の提供に関し、その代金、対価が特定外国通貨で表示され、保険契約締結の申込日から2年を越え15年以内に決済される場合に、その間の為替レートの変動から生ずる為替差損を填補するもの。
(5)輸出保証保険 輸出者が輸出保証書(ボンド)どおりに輸出できなくなり、違約金をとられた場合にその損失を填補するもの。
(6)仲介貿易保険 仲介貿易貨物の販売もしくは賃貸、仲介貿易代金の貸付に関し、その代金もしくは賃貸料、貸付金が回収不能となった場合の損失を填補するもの。
(7)海外投資保険 海外直接投資、海外関連企業への長期貸付などが、戦争や外国政府による収用などによって回収不能となった場合の損失を填補するもの。[金子卓治]

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世界大百科事典内の輸出保険の言及

【カントリー・リスク】より

… カントリー・リスクは予測が難しいために,先進国では輸出の円滑化や自国資本の保護のためにカントリー・リスクに対し国家的保障(オフィシャル・サポート)を設けている。日本では,プラントを中心にした輸出金融に対しては輸出保険制度や日本輸出入銀行(輸銀)融資制度があり,海外投資に対しては海外投資保険制度や輸銀投資金融制度がある。カントリー・リスクの発生する範囲も政治,経済,社会,金融,外交などきわめて広いため,その情報源として単純で利用可能なルートはありえない。…

【損害保険】より

…船舶保険では船舶自体の損害のほか,船舶衝突損害賠償,共同海損費用や船舶不稼働の利益損害等も塡補される。 なお公営の保険である労働者災害補償保険(政府労災),貿易保険(輸出保険)など(国が事業主体となっている)や中小企業信用保険,農業信用保証保険など(政府関係機関が事業主体となっている)も,損害塡補の保険という意味で損害保険といえる。また損害保険同様の制度として農業協同組合や生活協同組合などが実施している共済事業がある。…

※「輸出保険」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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