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迎講 むかえこう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

迎講
むかえこう

迎接の講会のこと。阿弥陀如来および二十五菩薩来迎引接の法会のことで,比叡山横川の恵心僧都の創始といわれる。俗に練供養という。六波羅蜜寺雲林院四天王寺当麻寺東大寺などで行われた記録があり,今日では奈良当麻寺,奈良矢田寺,岡山誕生寺,神戸太山寺などの迎講が著名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

迎講
むかえこう

浄土信仰を背景に、念仏行者の臨終に際して阿弥陀如来(あみだにょらい)が諸仏とともに極楽(ごくらく)より来迎(らいごう)するさまを演ずる法会(ほうえ)。来迎会(らいごうえ)、迎接会(ごうしょうえ)、二十五菩薩(ぼさつ)来迎会、練供養(ねりくよう)などともいわれる。恵心僧都(えしんそうず)源信(942―1017)が迎講を始めたと伝えられるがさだかではない。平安時代に浄土教はまず貴族の間に広まり、浄土往生(おうじょう)を欣求(ごんぐ)して華麗な阿弥陀堂が相次いで建立される一方、念仏を通してしだいに民衆の間にも浄土教が浸透していった。そうした仏教の民衆化のなかで、迎講は六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)、雲林院(うんりんいん)などの諸寺をはじめ、京中の所々で盛大に催され、上下分かたず浄土往生の法悦を体験した。やがて迎講は諸国に広まっていったが、今日その遺風が諸寺に民俗芸能の一種として伝えられている。5月14日に行われる奈良の當麻寺(たいまでら)の練供養は中将姫(ちゅうじょうひめ)往生の光景をかたどったものといわれ、観音(かんのん)、勢至(せいし)、普賢(ふげん)の三菩薩を含む二十五菩薩が、本堂より来迎橋を渡って娑婆堂(しゃばどう)の中将姫の像を迎えにいく。九品仏(くほんぶつ)で知られる東京都世田谷(せたがや)区の浄真寺(じょうしんじ)の迎講は俗に「おめんかぶり」といわれ、4年目ごとの8月16日に行われる。このほか京都市の泉涌寺即成院(せんにゅうじそくじょういん)をはじめ近畿地方の諸寺数か所ほかに伝わる。[高山 茂]

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世界大百科事典内の迎講の言及

【念仏講】より

…念仏を唱え,極楽往生を期する同信者の集団。中国では廬山において慧遠(えおん)が結成した白蓮社(念仏講)があり,日本では平安中期以後,迎講,往生講,阿弥陀講などがあった。念仏講の名称は,中世以後の地方の文書や石碑の銘文にしばしばみられる。…

【来迎】より

…源信は浄土をたたえるに十楽をもってしたが,その第1に〈聖衆来迎の楽〉をあげている(《往生要集》)。阿弥陀仏が来迎引接するさまを儀礼化した日本独特の迎講(むかえこう)(来迎会)が広く行われ,来迎図なるジャンルの浄土教美術が形成された。阿弥陀仏像には来迎印が用いられ,乗雲の来迎三尊の形像が製作されたり,さらに行者を護念する菩薩であった二十五菩薩が臨終のときに来迎引接する菩薩に性格が変わったのも,すべて来迎思想の高まりの結果である。…

【来迎図】より

…ところがこれとは別に10世紀の末ごろ天台僧源信によって撰述された《往生要集》は末法到来の近いことを前提に極楽往生の緊要なことを説き,阿弥陀仏を観想する法と併せて臨終時に阿弥陀来迎を請い願う作法を説き示した。源信の伝記には彼がその生前に阿弥陀来迎を儀式化した迎講(むかえこう)と来迎図を発案したと記している。ここに観無量寿経所説の九品来迎図とは別個にまったく独立した来迎図が描かれるとともに来迎像が造られはじめる。…

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