下種(読み)ゲス

デジタル大辞泉 「下種」の意味・読み・例文・類語

げ‐す【下種/下衆/下司】

[名・形動]
心根の卑しいこと。下劣なこと。また、そのようなさまやその人。「―な根性は持つな」
身分の低い者。
未学を軽んぜず―をも侮らず」〈露伴五重塔
げし(下司)」に同じ。
[類語]低俗俗悪卑俗野卑通俗俗っぽいくだらない下劣下品浅ましいさもしい卑しいはしたないあられもないしどけない下等低級低次元猥雑

げ‐しゅ【下種】

仏語信仰の種を人々にうえつけること。仏法にはじめて結縁けちえんする段階をいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下種」の意味・読み・例文・類語

げ‐す【下種・下衆・下主・下司】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 身分や素姓の卑しい人。下賤(げせん)の人。下臈(げろう)下手(げしゅ)
    1. [初出の実例]「女も男も、いとげすにはあらざりけれど、年頃わたらひなどもいとわろくなりて」(出典:大和物語(947‐957頃)一四八)
    2. 「法師ばら、尼君のげすどもの料にとて、布などいふものをさへ召してたぶ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. ( 形動 ) 品性が下劣であること。下品であること。また、その人。または、そのようなさま。
    1. [初出の実例]「あんまり下主(ゲス)に出来たやつだ」(出典滑稽本八笑人(1820‐49)四)

げ‐しゅ【下種】

  1. 〘 名詞 〙 仏菩薩衆生成仏得道種子を下ろすこと。主として天台宗で用いる。
    1. [初出の実例]「初生下種、第二生能純熟、第三生欲往生願之人、豈更造十悪五逆」(出典:阿彌陀新十疑(平安中))

げす‐し【下種】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 身分が卑しい。または、品性が下劣で卑しい感じである。下品だ。
    1. [初出の実例]「双六は下臈のしわざにてかみつかたにはせぬことのやうにおもへるはゆへありや、これらを思ふにはさしも、げすしきゆへあるべしともおぼえず」(出典:塵袋(1264‐88頃)六)

か‐しゅ【下種】

  1. 〘 名詞 〙 種をまくこと。種まき。種おろし。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android