退院(読み)タイイン

デジタル大辞泉 「退院」の意味・読み・例文・類語

たい‐いん〔‐ヰン〕【退院】

[名](スル)
入院していた患者が、病状が回復して病院から出ること。「先月退院したばかりです」⇔入院
議員議院から退出すること。⇔登院
住職がその地位を退いて隠居すること。
江戸時代、僧に科した刑罰。その職を解いて寺から退去させること。刑の宣告を受けてから一度寺に立ち帰ることができる。→追院

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精選版 日本国語大辞典 「退院」の意味・読み・例文・類語

たい‐いん‥ヰン【退院】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 寺院住持が、その地位を退いて隠居すること。ついいん。ついえん。
  3. 江戸時代、僧侶に科する刑の一つ。その職を解いて、居住の寺院から退出させるもので、追院につぐ刑。
    1. [初出の実例]「夫より軽きは退院させ、或は綸旨・公帖を奪て平僧とする仕方有べし」(出典:政談(1727頃)四)
  4. 病院で療養していた患者が、治療を終えたり、全快したりして病院から出ること。
    1. [初出の実例]「それから退院(タイイン)して叔父の内へ帰って来ますと」(出典:自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉写生帖)

つい‐いん‥ヰン【退院】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「つい」は「退」の唐宋音 ) 中世、禅宗寺院の住持が住持職を退くこと。たいいん。⇔入院
    1. [初出の実例]「宗鑑長老退院ののち、和尚補す」(出典:正法眼蔵(1231‐53)嗣書)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「退院」の意味・わかりやすい解説

退院
たいいん

江戸時代,僧尼に科せられた刑罰の一つ。『公事方御定書』には,「住居の寺を退去すべき旨を申し渡す」とあり,追院と異なって,その宣告を受けたのち,いったん寺院に帰り,それから立去ればよかった。

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