(読み)シン

デジタル大辞泉 「進」の意味・読み・例文・類語

しん【進】[漢字項目]

[音]シン(呉)(漢) [訓]すすむ すすめる じょう
学習漢字]3年
前にすすむ。すすめる。「進軍進行進出進退進入進路行進新進推進前進増進促進突進発進累進
高い等級・段階にあがる。「進化進学進級栄進昇進特進躍進
差し上げる。たてまつる。「進言進呈進物しんもつ詠進寄進献進注進
[名のり]す・すす・すすみ・のぶ・みち・ゆき

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「進」の意味・読み・例文・類語

すすみ【進】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すすむ(進)」の連用形の名詞化 )
  2. 前方へ動いて行くこと。また、前方へ動く勢い。
    1. [初出の実例]「駈(か)けまする時は一寸(ちょっ)と止めやうとしても止まらん者で御坐います。車の歯に進みが付いて居りますから」(出典:落語・正直(1898)〈三代目春風亭柳枝〉)
  3. 物事が進行すること。また、物事がはかどること。また、そのはかどりぐあい。
    1. [初出の実例]「父に対する私怨を晴すような事は仕たくないといふ考が筆の進みを中々に邪魔をした」(出典:和解(1917)〈志賀直哉〉三)
  4. 上達すること。進歩すること。
    1. [初出の実例]「産出の高〈略〉其年年に増加するは、工業の進みを徴するものなり」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三)
    2. 「学業の進みも著るしく」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  5. する気がおこること。気がすすむこと。
    1. [初出の実例]「息子にあそびすすむれど、一ゑんすすみなく」(出典:咄本・鹿の子餠(1772)医案)

しん【進】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] 令制の官制で、中宮職大膳職・左右京職・春宮坊の三等官(判官)。大進と少進がある。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  3. [ 二 ] ある星にあって他の星を見るとき、その星が西から東へ進むことをいう。⇔退。
    1. [初出の実例]「其一星中に在りて他の五星を見れば、或は東行するの時あり、之を進と云ふ」(出典:遠西観象図説(1823)下)

すすまし【進】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「すすむ(進)」の形容詞化 ) 気がすすむ。勇みたっている。乗り気である。
    1. [初出の実例]「心には面白くすすましく覚ゆとも」(出典:無名抄(1211頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「進」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
12画

[字音] シン
[字訓] すすむ・すすめる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は隹(すい)。〔説文〕二下に「登(すす)むるなり」、〔玉〕に「(すす)むるなり、升(のぼ)すなり、登むるなり」とあって、進饌の意とする。字はもと進退に関して、鳥占(とりうら)によってことを決する意であろう。鳥占の俗には、軍事に関することが多く、たとえば鷹狩りによって神意の応答を試みるなどのことも行われた。

[訓義]
1. すすむ、軍を進める、ゆく。
2. すすめる、神にすすめる、そなえる、たてまつる、ささげる。
3. うごく、おし出す、いたす。
4. まさる、前へ出る、よくなる。
5. (じん)と通じ、おくりもの。

[古辞書の訓]
名義抄 ススム・マイル・タテマツル・ノボル・タダ・ノトル/ ヤスラフ・フルマフ・ノベシム 〔字鏡集〕 ススム・ノボル・タテマツル・タダ・ユク・マヰル

[語系]
tzien、(前)・(薦)tzianは声近く、は前進、は登饌の字。にその両義がある。盡(尽)dzienも声近く、通用することがある。

[熟語]
進運・進益進謁・進越・進化・進学進諫・進・進御進境・進計・進撃・進見・進献・進賢・進言進講・進行進攻・進貢・進号・進止・進士・進璽進取・進酒・進上・進趨進薦・進膳・進奏・進退・進達進陟・進呈・進・進・進徳・進読・進薄・進抜・進発・進稟・進兵・進歩・進奉・進謀・進旅・進路
[下接語]
栄進・改進・勧進急進・狂進・供進・競進・行進・後進・止進・仕進・升進・昇進・精進・新進・推進・趨進・寸進・尺進・先進・薦進・前進・漸進・増進・促進・逐進・長進・調進・挺進・逓進・特進・突進・日進・背進・進・奮進・並進・冒進・進・妄進・盲進・猛進・躍進・誘進・翼進・累進

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【四合院】より

…北京,河北,山西一帯に分布する典型的なものは,中庭を垂花門によって南北二つに分け,それぞれを内院,外院と区別する。南北の中庭群の数を〈進〉で数え,両進,三進が一般的であるが,大邸宅では七,八進になるものもある。この配置平面自体は住宅に限らず,宮殿や寺廟など諸類型に通用する形式で,古く西周の宗廟に両進の四合院がある。…

※「進」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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