(読み)チ

デジタル大辞泉 「遅」の意味・読み・例文・類語

ち【遅〔遲〕】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]おくれる おくらす おそい
〈チ〉
進み具合がぐずぐずしている。おそい。「遅疑遅速遅滞遅遅遅筆巧遅
予定時間を過ぎてしまう。おくれる。「遅延遅刻遅配
〈おそ〉「遅寝・遅番

おそ【遅/鈍】

形容詞「おそい」の語幹》心の働きの鈍いこと。愚か。まぬけ。
みやびをと我は聞けるをやど貸さず我を帰せり―のみやびを」〈・一二六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遅」の意味・読み・例文・類語

おそ【遅・鈍】

  1. ( 形容詞「おそい」の語幹 )
  2. のろくて時間がかかること。時が過ぎて遅れること。
    1. [初出の実例]「於曾(オソ)はやも汝(な)をこそ待ため向つ嶺(を)の椎の小枝(こやで)の逢ひは違はじ」(出典万葉集(8C後)一四・三四九三)
  3. 働き、判断などがにぶいこと。愚かで間が抜けていること。
    1. [初出の実例]「遊士(みやびを)とわれは聞けるを屋戸(やど)かさずわれを還せり於曾(オソ)の風流士(みやびを)」(出典:万葉集(8C後)二・一二六)

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普及版 字通 「遅」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)遲
16画

[字音]
[字訓] おそい・おくれる・まつ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
旧字は遲に作り、犀(さい)声。犀に・穉(ち)の声がある。金文字形に作り、(い)がその声。〔説文〕二下重文にも、その字形のものが残されている。〔説文〕にまた「徐行するなり」と訓し、〔詩、風、谷風〕「を行くこと遲遲たり」の句を引く。金文の〔嗣子壺(ししこ)〕に「(遅)として康淑」の句があり、徳が充ちて舒緩なるさまをいう語であろう。

[訓義]
1. ゆるやか、おだやか、おもむろ。
2. おそい、ゆるい、のろい、にぶい、ひさしい、おくれる。
3. まつ、のぞむ、ころ、ころおい。

[古辞書の訓]
名義抄〕遲 ヲソシ・ヌルシ・シメヤカナリ・マツ・コロホヒ・ヤウヤク・オモフ・ネガフ・ムカフ・オクレヌ・ウルハシ/遲々 ウラウラ

[語系]
遲diei、dyeiは声義近く、(ち)は〔説文〕二下に「久しきなり」と訓する字。・犂lyeiは定母のdと來(来)母のlと通ずることがあり、〔倉頡〕や〔説文〕二下に「(れい)は徐なり」、また〔広雅、釈詁四〕に「遲きなり」とあって同義の語。〔史記、南越伝〕の「犂旦(りたん)」を〔漢書〕に「遲旦」に作り、声が通じる語であった。

[熟語]
遅延・遅淹遅回・遅廻・遅緩・遅疑・遅久・遅・遅騫・遅誤遅光・遅疾遅日・遅熟・遅徐・遅拙・遅早・遅想・遅速・遅数・遅滞・遅怠・遅旦・遅遅・遅佇遅重・遅頓・遅鈍・遅晩・遅暮・遅・遅漫・遅明・遅予・遅陽・遅立遅留・遅魯
[下接語]
依遅・逶遅・淹遅・懐遅・虚遅・巧遅・舒遅・棲遅・拙遅・疎遅・凌遅・陵遅

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動植物名よみかた辞典 普及版 「遅」の解説

遅 (チ)

植物。茅の別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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