奈良漬(読み)ならづけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

奈良漬
ならづけ

白うりの粕漬。一般には蔬菜類酒粕に漬込んだものもいう。酒粕の成分がよくきき,うまみ香気にすぐれ,べっこう色をしている。うりは肉質の締まった大白うり,かつらうり,大正うりなどが用いられ,粕か塩で下漬をする。またうりのほか,きゅうり,なす,すいかなども用いられる。酒粕には味醂粕を混ぜることもあり,さらに焼酎,食塩,砂糖などを加え練り合せ,密閉して使用時まで熟成,保存する。下漬,中漬,本漬の順に粕を替えて漬けていく。あまり長く貯蔵はできない。元来酒造の盛んであった奈良地方で多くつくられたためこう呼ばれる。

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デジタル大辞泉の解説

なら‐づけ【奈良漬(け)】

シロウリを主に、ナス・キュウリなどを酒粕(さけかす)に漬けたもの。奈良の漢方医糸屋宗仙が、慶長年間(1596~1615)に創製したといわれる。

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百科事典マイペディアの解説

奈良漬【ならづけ】

ウリ類を主とした野菜を酒粕(かす)につけた漬物。奈良地方で発達したのでこの名がある。シロウリ,キュウリ,ナス,ダイコンなどを塩で2ヵ月ほど下漬し,同量程度の酒粕に数ヵ月漬ける。風味を高めるため,途中砂糖,みりんを加えた新しい粕につけ換えをする。香味にすぐれる。
→関連項目粕(糟)漬

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世界大百科事典 第2版の解説

ならづけ【奈良漬】

野菜類のかす(粕)漬の別称。かす漬は奈良時代から行われていたが,室町時代になると,奈良が〈南都諸白(もろはく)〉と呼ばれた名酒の産地になり,その酒かすを用いた奈良産のものをこの名で呼んだ。やがて《本朝食鑑》(1697)がいうように,他地方産のかす漬もこれを称するようになった。漬けこむ材料としては,これも大和の名産であったシロウリを筆頭に,キュウリ,スイカ,ナス,ショウガ,ダイコンなどが用いられる。いずれもいったん塩漬にしてから,かす床で本漬にする。

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

奈良漬[加工食品]
ならづけ

近畿地方、奈良県の地域ブランド。
奈良の名産品である白瓜や胡瓜・西瓜・大根などを塩漬けにした後、約1年酒粕に漬けることでできあがる。鰻の蒲焼きの付け合わせとして知られる。粕漬自体は奈良時代初期からつくられていたが、室町時代、奈良産の名酒・南都諸白の酒粕を使った粕漬を奈良漬と呼ぶようになり、のちに他地方産の粕漬も同じく奈良漬と呼ばれるようになった。慶長年間(1596年〜1615年)、奈良市中筋町の医者・糸屋宗仙が白瓜を酒粕に漬けてつくったのが始まりともいわれる。

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世界大百科事典内の奈良漬の言及

【かす漬(粕漬∥糟漬)】より

…酒かす,または,みりんかすに野菜,魚介類その他を漬けこんだもの。ウリ類,ワサビ,守口ダイコン,クジラの軟骨を漬けたものは,それぞれ奈良漬,ワサビ漬,守口漬,松浦(まつら)漬と呼ばれる。古くから行われていたもので,《延喜式》にはウリ,トウガン,ナス,カブなどの名が見られる。…

【漬物】より

…《雍州府志》(1684)によると,木芽漬はアケビ,スイカズラ,マタタビなどの新芽を細かく切って塩漬にしたもの,烏頭布漬はいろいろな植物の新芽をとりまぜて塩漬にしたものであった。室町期には,香(こう)の物,奈良漬といったことばが現れてくる。前者は,みその異名を〈香(こう)〉というところから,本来はみそ漬をいったことばだとされるが,漬物の総称として使われるようになり,香香(こうこう),新香(しんこう),おこうこ,おしんこなどとも呼ばれるようになった。…

※「奈良漬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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