酸桃(読み)スモモ

デジタル大辞泉 「酸桃」の意味・読み・例文・類語

す‐もも【酸桃/×李】

バラ科の落葉小高木。葉は長楕円形。春、白色の5弁花が密集して咲く。果実に似てやや小さく、黄赤色に熟し、少し酸味があり、食用。中国の原産古くから日本でも栽培され、ソルダムサンタローザ巴旦杏はたんきょうなどの品種を日本スモモと総称する。近縁西洋スモモプルーンという。プラム 実=夏 花=春》葉隠れの赤い―に鳴く小犬一茶
[類語]プラムソルダム

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精選版 日本国語大辞典 「酸桃」の意味・読み・例文・類語

す‐もも【酸桃・李】

  1. 〘 名詞 〙
  2. バラ科の落葉小高木。中国原産で、日本には古くから渡来し「万葉集」や「日本書紀」に「李」として登場している。高さ三~六メートル。葉は互生し長さ五~七センチメートルの狭長卵形、縁に細鋸歯(きょし)がある。四月ごろ、葉に先だって葉腋に白色で径約二センチメートルの五弁花が一~三個ずつ叢生して咲く。果実は径二~五センチメートルの球形または広卵形で、赤紫色または黄色に熟す。果肉は甘酸っぱく多汁で、そのまま食べたり塩漬砂糖漬にしたりする。果樹として広く栽植され品種が多い。漢名、李。にほんすもも。はたんきょう。《 季語・夏 》

▼すももの花《 季語・春 》

  1. [初出の実例]「桃李(スモモ)実之(みなれり)」(出典:日本書紀(720)推古二四年正月(北野本南北朝期訓))
  2. 「わが園の李(すもも)の花か庭に散るはだれの未だ遺りたるかも」(出典:万葉集(8C後)一九・四一四〇)
  3. 植物「でんじそう(田字草)」の異名。〔訓蒙図彙(1666)〕
  4. 植物「かたばみ(酢漿草)」の異名。〔物類称呼(1775)〕

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