密教の両界(両部)曼荼羅の一つ。胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅に対し西側に掛ける。九会(くえ)曼荼羅、智(ち)曼荼羅、西(さい)曼荼羅、果(か)曼荼羅ともいい、『金剛頂経』を所依とする。サンスクリット語でバジラダートゥ・マンダラvajradhātu-maalaという。画面を縦・横各3区画し、計9区画(九会)、すなわち(1)成身会(じょうじんね)、(2)三昧耶会(さんまやえ)、(3)微細会(みさいえ)、(4)供養会(くようえ)、(5)四印会(しいんえ)、(6)一印会(いちいんえ)、(7)理趣会(りしゅえ)、(8)降三世会(ごうざんぜえ)、(9)降三世三昧耶会からなり、1461尊で構成される。大日如来(だいにちにょらい)の智の面を表現し、男性的原理を内蔵する。真言行者はこの画面を上転・下転の両面から解釈する。なお、成身会のみ独立したものに金剛界八十一尊曼荼羅があり、国重要文化財指定の絹本着色図が根津美術館(東京)に伝存する。
[真鍋俊照]
『真鍋俊照著『曼荼羅の美術』(1979・小学館)』
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… このように曼荼羅は本来壇を中心とする個別の曼荼羅に源を発し,時代とともに離合集散しながらしだいに総合されてきた。そのきわまるところ,7世紀中ごろ,《大日経》が成立し,以後それにもとづく一大総合曼荼羅である胎蔵曼荼羅が描かれ,また7世紀から8世紀初めにかけて《金剛頂経》が作られ,それにもとづいて金剛界曼荼羅が描かれるようになった。密教ではこの時点で確立された大日如来を中心とする密教を純密,それ以前を雑密といって区別している。…
…密教の教義を,大日如来を中心とした諸尊の配置によって図示した曼荼羅。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅をあわせて両界曼荼羅という。両部曼荼羅とも称される。…
※「金剛界曼荼羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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