鉄道および陸上交通の監督,国有鉄道の現業官庁。1920年5月15日,それまでの鉄道院(内閣所属)を廃止して設置した。所管業務は,国有鉄道および付帯業務の管理,地方鉄道・軌道,南満州鉄道などの監督とされ,本省に大臣官房および6局,地方に6鉄道局(東京,神戸,門司,名古屋,仙台,札幌)をおいた。28年11月5日逓信省から陸運事業に対する監督権を引き継ぎ,陸上交通全般にわたる行政官庁となった。29年6月8日拓務省設置にともない,南満州鉄道の監督権を同省に移管した。30年以降省営自動車の営業を開始,30年代の戦時体制への移行期には37年小運送業法による日本通運(株)の設置,38年陸上交通調整事業法,41年陸運統制令公布など,陸運統制の中心となった。43年4月1日樺太庁所管の鉄道・自動車を移管された。同年11月1日運輸通信省設置にともなって廃止され,さらに,45年5月運輸省に改編された。
執筆者:原田 勝正
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1920年(大正9)5月15日設置された鉄道管轄官庁。第一次世界大戦中から鉄道事業は飛躍的に発展し、また原敬(たかし)政友会内閣は鉄道網の整備を重点施策とした。このような事情から鉄道院を昇格して、政府の1省とする措置がとられた。同省の管轄業務は国有鉄道および付帯業務の運営、地方鉄道、軌道、南満州鉄道の監督とされ、中央に大臣官房と6局、各地方に鉄道局その他の機関を置いた。28年(昭和3)陸運監督権を加え、翌年満鉄の監督権を拓務省に移管した。30年には省営自動車の営業を開始、第二次世界大戦期にかけて陸上交通全般についての管轄官庁となった。この間何回か組織は変更されたが、太平洋戦争下の43年11月1日運輸通信省の設置に伴い廃止、業務は同省の鉄道総局その他に引き継がれた。
[原田勝正]
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1920~43年(大正9~昭和18)の国有鉄道の主務官庁。第1次大戦後の経済発展により客貨輸送量が激増。従来の鉄道院(1908設置)では,膨張する国鉄業務に十分対応できなくなったため,20年5月鉄道院官制を廃止し鉄道省官制を公布。鉄道大臣が国有鉄道と付帯業務を管理し,地方鉄道・軌道,南満州鉄道の鉄道と航路に関する業務を監督することになった。その後,何度かの組織の改変をへて,第2次大戦時の43年11月,海陸一貫輸送の強化要請のもと逓信省とともに廃止され,運輸通信省が成立した。
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…明治から大正にかけて,国鉄は日本全国を結ぶ唯一の交通機関として著しい発展を続けた。20年鉄道院は鉄道省となり,23年には一般会計から完全に独立した鉄道会計制度が設けられ,財政基盤が固められた。昭和に入ると,競争相手として自動車が登場したが,30年に国鉄も乗合自動車の経営を始め,貨物輸送では37年に小運送業法によってトラックとの協調体制を整えた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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