開眼供養(読み)カイゲンクヨウ

デジタル大辞泉 「開眼供養」の意味・読み・例文・類語

かいげん‐くよう〔‐クヤウ〕【開眼供養】

開眼1の際に行う供養。「大仏開眼供養

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精選版 日本国語大辞典 「開眼供養」の意味・読み・例文・類語

かいげん‐くよう‥クヤウ【開眼供養】

  1. 〘 名詞 〙 開眼(かいげん)のときにする法会
    1. [初出の実例]「今昔、聖武天皇、東大寺を造て開眼供養し給はむと為(す)るに」(出典今昔物語集(1120頃か)一一)

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改訂新版 世界大百科事典 「開眼供養」の意味・わかりやすい解説

開眼供養 (かいげんくよう)

新しく造った画像や彫像如来菩薩・天部・明王・祖師像などを賛嘆供養し,神威を迎えることをいう。略して開眼,または開明,開光明といい,遷仏ともいう。この開眼に事・理二相を説くのは《和語灯録》第5で,〈開眼と申すは,本体の仏師がまなこをいれ,ひらきまいらせ候を申候也。これを事の開眼と申候也。つぎに僧の仏の真言をもて,まなこをひらき,大日の真言もて,ほとけの一切の功徳を成就し候をば理の開眼と申候也〉という。日蓮は《本尊問答鈔》に〈木像画像の開眼は唯法華経に限るべし〉という。日本最初に行われた開眼供養は752年(天平勝宝4)4月9日の東大寺大仏開眼会である。聖武天皇光明皇后が願主となり,婆羅門僧正菩提遷那を大導師とし,僧一千,文武百官これに列した一大盛儀で,この時用いられた開眼筆や開眼縷をはじめ法要諸用具はいまも正倉院宝庫に伝えられている。
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百科事典マイペディア 「開眼供養」の意味・わかりやすい解説

開眼供養【かいげんくよう】

新造の仏像仏画を賛嘆供養し,最後に眼を入れて霊を迎える儀式。752年の東大寺大仏開眼会には天皇上皇皇太后以下文武百官と一万余人の僧が参列,開眼導師のインド僧菩提僊那(ぼだいせんな)が眼を入れたが,その時の開眼筆と,筆に付けて参集者に握らせた全長200m余の開眼縷(る)が正倉院に残る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「開眼供養」の意味・わかりやすい解説

開眼供養
かいげんくよう

開眼とは、眼目を開くという意味から、仏教では「悟りを開くこと」をいい、さらには仏像や曼荼羅(まんだら)などが新しく作製されたり、修理されたとき、それに新たに入魂の儀式や作法を行うことをいう。仏にその魂を入れることから、開眼光、開光明、単に開光、開明ともいう。またこの儀式が盛大に行われた場合に開眼供養という。わが国で最初に盛大に行われたのは、752年(天平勝宝4)4月9日の東大寺の大仏開眼供養で、孝謙(こうけん)天皇、聖武太上(しょうむだいじょう)天皇、光明(こうみょう)皇太后がそろってそれに臨んでいる。

[平岡定海]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「開眼供養」の解説

開眼供養
かいげんくよう

新たに造られた仏像や仏画を堂宇に安置する際に行う儀式。仏眼を開き魂を請じいれる意味で開眼といい,香華(こうげ)・護摩(ごま)などの供養をともなう。この儀式をへてはじめて神聖な尊像とみなされた。752年(天平勝宝4)4月に行われた東大寺大仏開眼供養は日本で最初の大規模なものだった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「開眼供養」の意味・わかりやすい解説

開眼供養
かいげんくよう

新しく彫刻したりあるいは描かれた仏像を供養し,仏眼を開く儀式で,この儀式を行なったのち,霊力をもつ尊像として尊ばれる。天平勝宝4 (752) 年に行われた東大寺大仏の開眼供養の儀式が日本で行われた最初のもの。

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葬儀辞典 「開眼供養」の解説

開眼供養

新しい仏像などを使い始めるとき、眼を描き入れ仏に魂を迎え入れる儀式。

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世界大百科事典(旧版)内の開眼供養の言及

【供養】より

…二種供養は諸仏を供養する出纏(しゆつてん)供養と衆生に対する在纏(ざいてん)供養となる。さらに対象ごとに,死者の冥福のためにする追善供養,餓鬼のためにする餓鬼供養,虫のためにする虫供養,新しく造立した仏像,仏画,位牌に対する開眼供養,寺院や仏壇に仏像を迎える入仏供養,経文を書写して供養する開題供養,経供養,そのほか堂供養,鐘供養,橋供養などがある。 民間の例としては,2月と12月の8日に針仕事を休み折れた針や錆びた針を豆腐にさし,あるいは蘇鉄の根元に埋めてその霊を供養する針供養をはじめ人形供養,茶筅(ちやせん)供養など供養の対象が無生物にまで及んでいる。…

※「開眼供養」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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