関山峠(読み)せきやまとうげ

日本歴史地名大系 「関山峠」の解説

関山峠
せきやまとうげ

宮城作並さくなみから山形東根ひがしね市関山に通ずる県境の峠。かつては作並街道(現国道四八号)陸奥・出羽境の峠であった。現在は国道四八号トンネルが通じている。関山に通ずる山越えゆえ、関山峠の名は古くからあったが、道は曲折、急峻のため馬の通行がかなわず、荷はすべて人の背に頼り、多量のもののみ牛で運んだ。さらに例年年末から翌春に至る間は丈余積雪のため通行が不能であった。そのため標高約六四〇メートル、笹谷ささや(現柴田郡川崎町と山形市の境にある笹谷街道の峠)二口ふたくち(現名取郡秋保町と山形市の境にある二口街道の峠)より低いにもかかわらず、「最上越え」の峠路としてはさして利用されていなかった。

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改訂新版 世界大百科事典 「関山峠」の意味・わかりやすい解説

関山峠 (せきやまとうげ)

山形県東根市と宮城県仙台市との県境にある奥羽山脈を越える作並街道の峠。標高630m。1882年に峠下594m地点に関山トンネル開通し,山形・宮城両県を結ぶ幹線道路として通行量が急増した。1903年に奥羽本線が山形県北部まで開通して以後は一時衰退したが,自動車交通の進展とともに活気をとりもどし,国道48号線として整備が進んだ。68年には標高513m地点に新関山トンネルが開通して,冬季の通行も確保され,山形と仙台を結ぶ重要ルートの一つとなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「関山峠」の意味・わかりやすい解説

関山峠
せきやまとうげ

宮城県仙台市と山形県東根市の境にある峠。作並街道(さくなみかいどう)(関山街道)が奥羽山脈を横断する所にあり、標高601メートル。1882年(明治15)宮城県令宮城時亮と山形県令三島通庸(みちつね)との協議により峠下に関山隧道(ずいどう)が開通、藩政時代から用いられていた笹谷(ささや)、二口(ふたくち)の両街道にかわって仙台―山形間を結ぶ交通路として重視された。国鉄(現、JR)仙山線の開通後、峠の意義は一時薄れたが、自動車交通の増大に伴い街道は国道48号として整備された。1968年(昭和43)峠の北部に新関山トンネルが開削され、国道も付け替えられた。

[長谷川典夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関山峠」の意味・わかりやすい解説

関山峠
せきやまとうげ

宮城,山形両県の境をなす峠。標高 594m。寒風山と面白山との鞍部にあたり,作並街道 (国道 48号線) が通る。 1882年関山トンネルの完成によって,冬季の日本海側と太平洋側の重要な交通路となった。さらに 1968年,標高 530mの位置に新関山トンネルが開通して東西交通路としての重要性が増した。

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