防衛装備庁(読み)ぼうえいそうびちょう

知恵蔵の解説

防衛装備庁

2015年10月、防衛省外局として新しく設置された庁。これまで3機関(陸・海・空自衛隊)に分散されていた武器装備品の研究開発調達補給及び管理を一元管理することで、防衛力強化やコスト削減などの効率化を目指す。職員は約1800人(うち約400人が自衛官)。「装備政策部」「プロジェクト管理部」「技術戦略部」「調達管理部」「調達事業部」の5部門が設けられている。初代長官には、防衛省技術研究本部長・渡辺秀明が就任した。安倍晋三内閣は14年4月、武器輸出を原則禁じた「武器輸出三原則」を見直し、各種制限を取り払った原則解禁の「防衛装備移転三原則」を閣議決定している。これに基づき、政府は海外への武器・防衛技術の輸出拡大、欧米軍事企業との共同研究・生産の拡大等を見込んでおり、同庁新設に伴う国内産業への経済波及効果も期待している様子。防衛装備庁の予算規模は約1兆6千億円(関連調達分を含めると約2兆円)で、防衛予算全体の3分の1以上を占める。
経済・産業界からは歓迎の声が多いが、歯止めのない武器製造・輸出の拡大による「軍産複合体」の形成を心配する声もある。また、旧防衛庁時代の07年には、事務次官の汚職事件が起こっており、製造業者との癒着や不正、天下りなども懸念されている。20人規模からなる監察・監査評価官の組織が新設されたが、権限が集中する同庁だけに、厳格な監視・チェック体制と徹底した透明性の確保が課題となる。

(大迫秀樹 フリー編集者/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

防衛装備庁
ぼうえいそうびちょう

防衛装備品の一貫管理や,諸外国との共同開発,輸出の窓口などを担う行政機関。2015年10月改正防衛省設置法が施行され,防衛省外局として設置された。かつて陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊の各幕僚監部(→統合幕僚監部)の装備関連部門,技術開発本部などに分散していた業務を一元化し,防衛装備品の構想,開発,生産,維持整備,廃棄までを一貫して管理することで,高品質な防衛装備品の効率的な調達やコスト管理の強化を目指す。また,近年の国際的な潮流とされる諸外国との防衛装備品の共同開発・生産などへの参画を企図する。体制は,防衛装備庁長官のもと,装備政策部,プロジェクト管理部,技術戦略部,調達管理部,調達事業部などが置かれるほか,汚職の防止,透明性の確保のため監察・監査評価官を長とする内部監査を担う部署ももつ。発足時の職員数は約 1800。2014年4月に安倍晋三内閣が閣議決定(→閣議)した防衛装備移転三原則(→武器輸出三原則)により,防衛装備庁が管掌する業務を実施する素地がつくられた。防衛装備品の輸出と諸外国との共同開発の推進により,政府は防衛力の強化のほか国内産業への経済波及効果を見込む。

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