(読み)ツイ

デジタル大辞泉 「椎」の意味・読み・例文・類語

つい【椎】[漢字項目]

常用漢字] [音]ツイ(漢) [訓]つち しい
〈ツイ〉
物をたたく工具。つち。「鉄椎」
せぼね。「椎骨椎間板胸椎頸椎けいつい脊椎せきつい仙椎腰椎
〈しい〉木の名。シイ。「椎茸しいたけ
[難読]木椎さいづち

しい〔しひ〕【椎】

ブナ科のシイとよばれる常緑高木の総称マテバシイスダジイツブラジイなど。暖地に自生。葉は堅く楕円形で、表面はつやがあり、裏面に褐色毛をもつ。初夏開花。実はどんぐりになり、食用。しいがし。しいのき。 実=秋 花=夏》「丸盆の―にむかしの音聞かむ/蕪村
[類語]椎の木まてば椎

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精選版 日本国語大辞典 「椎」の意味・読み・例文・類語

しいしひ【椎】

  1. 〘 名詞 〙 ブナ科シイノキ属の植物の総称。東アジア・東南アジアに約三〇種、北アメリカに一種あり、日本では関東以西にツブラジイ、およびその変種のスダジイが生える。常緑樹で、雄花穂が細長くて下垂せずに立ち、果実は全体が殻斗に包まれたどんぐり状果であることなどが特徴。しいのき。しいがし。
    1. [初出の実例]「家にあれば笥(け)に盛る飯(いひ)を草枕旅にしあれば椎(しひ)の葉に盛る」(出典:万葉集(8C後)二・一四二)

椎の補助注記

「万葉集」以外で和歌によまれた例は少なく、歌語としては平安中期より、「しひしば(椎柴)」という形が定着した。樹皮喪服染料に用いたところから、哀傷歌で多くよまれた。→椎柴(しいしば)の袖(そで)

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普及版 字通 「椎」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ツイ・スイ
[字訓] つち・うつ・たたく・しい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は隹(すい)。隹に堆・(つい)の声がある。〔説文〕六上に「以(ゆゑん)なり」(段注本)とあり、また「齊にては之れを(しゆうき)と謂ふ」とする。と同義。で椎撃することをいう。

[訓義]
1. つち。
2. うつ、つちでうつ。
3. たたく。
4. 椎髻はもとどり。
5. しい、しいの木。スイの音でよむ。

[古辞書の訓]
和名抄〕椎子 之比(しひ) 〔名義抄〕椎 ツチ・ウツ・シヒ

[語系]
椎・diui、・捶tjiuiは声義近く、杖・(すい)の類を以て撃つことを捶という。toaiもその系統の語で、(た)は馬杖、(た)を以て撃つことをという。

[熟語]
椎額・椎牛・椎髻・椎・椎撃・椎結椎鼓・椎骨椎砕椎鑿・椎殺・椎車・椎鐘・椎心椎拙・椎打・椎拓・椎奪椎鍛・椎椎搨椎鈍・椎破・椎拍・椎剝・椎鄙・椎氷・椎剽・椎朴・椎埋・椎輪・椎魯・椎陋
[下接語]
引椎・金椎・神椎・石椎・脊椎・鉄椎・鈍椎・樸椎・揚椎・雷椎

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動植物名よみかた辞典 普及版 「椎」の解説

椎 (シイ)

植物。ブナ科の常緑高木。スダジイの別称

椎 (シイ)

植物。ブナ科シイノキ属の常緑樹の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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